【三重】山口陶器が萬古焼の釉薬製造継承に向けたクラウドファンディングを開始

萬古焼の産地・三重県菰野町で、釉薬製造の継承に取り組むクラウドファンディングがスタートしました。挑戦するのは、同地で陶器製造を行う有限会社山口陶器です。
今回のクラウドファンディングは、産地で釉薬を供給してきたメーカーの廃業をきっかけに、その役割を引き継ぐために立ち上がりました。焼き物の「色」を支えてきた釉薬をどう残すか。産地全体に関わる課題に向き合う取り組みです。
産地を支えてきた「釉薬屋」がなくなるという危機
萬古焼の産地では、長年にわたり釉薬を供給してきた専門会社が存在してきました。窯元ごとの表現を支える重要な役割を担ってきた存在です。
しかし、その担い手が高齢と体調の問題により廃業を決断。
釉薬を自社で製造できる窯元は多くはありません。 素材、加工、仕上げと工程が分かれる中で、いずれかの担い手が欠けると、ものづくり全体に影響が及びます。
山口陶器が引き継ぐ理由と役割
こうした状況を受け、山口陶器が釉薬製造の継承を決意。 産地の中で担い手が途切れようとしているいま、その役割を引き受けるかたちです。
同社はこれまでにも自社で釉薬製造の実績を持ち、産地の中でその機能を担うことができる数少ない存在です。
設備やレシピ、供給先の一部を引き継ぎ、産地の窯元に対して釉薬供給を継続する体制づくりを進めています。また、自社での製造が難しい窯元の受け皿となるだけでなく、将来的には新たな釉薬開発の機能も維持・発展させていく考えです。

今回の取り組みには、窯元や原料メーカー、商社など産地関係者からも危機感と期待の声が寄せられています。
「外に向けて発信していくことも必要」
「産地としてどう向き合うかを考えるきっかけになる」
といった声も聞かれます。
クラウドファンディングで基盤整備へ
今回のクラウドファンディングでは、釉薬製造設備の移設やインフラ整備、人材育成などに必要な資金を募っています。
目標金額は300万円、ネクストゴールとして500万円も設定されています。
支援金は、機械の移設費や電気・水道設備工事、スタッフ育成など、製造体制の立ち上げに充てられます。
リターンは物品ではなく、記念台帳や工場内プレートへの名前掲載など。支援した人の名前が、産地の中に残るかたちです。
クラウドファンディングのページでは、プロジェクトの背景や詳細だけではなく、産地ではたらく人たちの声も丁寧に紹介されています。
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