次の1000年につなげる工芸のお祭り 福井県越前市の
「千年未来工藝祭」

日本全国のものづくりが大好物なしゃかいか!が訪れたのは、福井県中部にある越前市武生(たけふ)。かつて「府中」と呼ばれ、国府が置かれていた歴史のある街です。「越前和紙」「越前打刃物」「越前箪笥」など、伝統的な産業が数多く残るここ武生で、今日はものづくりのお祭り「千年未来工藝祭」がやってるぞ、と聞きつけやってきました!

千年未来工藝祭に先駆け、2日間にわたって行われた3つの越前市の手しごと、越前和紙、越前打刃物、越前箪笥を巡るツアーにしゃかいか!も参加させてもらったので、そちらのレポートもご覧ください。

1300年間、作り続けた越前和紙。「日本一の和紙」と言われる理由を探す旅
和紙屋「杉原商店」のご主人杉原吉直さんから、越前和紙がどのように受け継がれ日本一の和紙と呼ばれるようになったかや、さまざまな表現に挑戦する現在の越前和紙お話を聞きました。その後、紙漉きの起源にまつわる伝説の残る紙の神様のもとにお参りし、「山次製紙所」で越前和紙の製造工程を見学し、紙漉きも体験させていただきました。

杉原さんとしゃかいか! 神社全景 記念写真

人の営みに寄り添いながら進化してきた平和な刃物「越前打刃物」
刀の鍛錬に適した水を求めこの地にたどりついた刀鍛冶、千代鶴国安(ちよずるくにやす)が生み出した打刃物。「刀は人を殺すための武器であってはならない、武士の象徴として存在してほしい」という国安の願いの通り、農作業のための鎌、料理を作る包丁と姿を変えながら受け継がれ、世界的に評価される道具となり、人の営みを支え続けている越前打刃物のお話です。

タケフナイフビレッジ キリン刃物 体験イメージ

江戸から続く職人のまち「タンス町通り」で聞いた、越前箪笥の歴史と今
八代続く、越前箪笥店のご主人三崎さんに、越前箪笥の魅力や細工の素晴らしさについて、また江戸後期から指物職人が集まり生まれた「タンス町通り」の成り立ちについて語っていただきました。。

三崎俊幸さん うるしや夕食 うるしや外観

夕食は料亭のような佇まいのお蕎麦屋さん「うるしや」で
店内には越前焼に河和田の漆器、越前和紙など今日の伝統工芸のお祭りにふさわしい器や装飾が惜しみなく使われ、「うるしや」の名の通りかつてはほんとうに漆を商っていたお店です。
歴史ある建物はやがてお蕎麦屋さんとなり、昭和天皇が「あの越前のそばをもう一度食べたい」というお言葉から「越前そば」という呼び名が生まれた、という現場がなんとこのお店です。

そんな歴史あるお蕎麦屋「うるしや」は、惜しまれながら20数年前に休業。そのお店を東京で越前そば店を営んでいた現在のご主人である原崎さんが2019年4月に復活させました。

夕食

楽しい人たちとおいしいお料理で楽しい夜になりました。

夕食 まち歩き

越前市の手しごとを巡るツアーでは、紙の神様の伝説から1300年続く越前和紙、南北朝時代から800年以上を数える越前打刃物、江戸後期からの越前箪笥、そして越前そば屋さんの建物、と「越前」と名のつくものにはいずれも歴史とは切り離せないことをなるほど!と実感。そして、それら長い歴史を持つものづくりが私たちの今の生活にはなくてもならない存在として、現在も生き続けているということです。そんな今に続くものたちの「これまで」に触れることができたツアーに続いて、いよいよ千年未来工藝祭をレポートします!

向かう 会場

越前の工芸の現在とこれからを見に「千年未来工藝祭」へ!
千年工藝祭は2019年で2回目の開催。越前市のシンボル「越前市AW-Iスポーツアリーナ(武生中央公園総合体育館)」の中では伝統工芸やクラフトの展示会と伝統的な工芸品に新たな挑戦を続けるプロダクトを見ることができる「クラフトマーケットエリア」、手仕事を体験できたりローカルフードがいただける「ワークショップエリア」、音楽の催しやパフォーマンスを見ることができる「オアシスエリア」に分かれて楽しむことができます。

ヒュージ

「千年工藝祭」をプロデュースした株式會社ヒュージの内田裕規さん
福井市でグラフィックやWeb、プロダクトまで幅広く活躍しているデザイナーです。
「現在までの一千年とこれからの千年、ここでの営みを繋いでいくことを目的に、千年未来工藝祭と名づけました。“工”の字は上下の横線でそれぞれ“天”と“地”を指していますが、イベントロゴでは、その天地を結びつける“人”の営みを強調し表現しました。そこに天と地だけではなく、人や技、地域、過去と未来などを結びつけ千年続けたい、という思いを込めています」

千年工藝祭の法被とTシャツ 和紙のトンネル

和紙のトンネルからクラフトマーケットエリアへ
クラフトマーケットでは夜の市場をイメージし、暗め灯りで演出されています。お昼の屋外から暗い中入っても目が慣れるように、という気配りです。この和紙は全部で4000枚!和紙職人の青年部の皆さんによる一枚一枚手織りの作品です。

クラフトエリア

ご家族や若いカップル、中高生のグループなど幅広い層の人たちが訪れています。「越前市の人ほとんどが来てるかも」と現地の人が言うほどの賑わい。クラフトマーケットエリア内には約100の出展者がブースを構えます。

杉原吉直

見学ツアーでお世話になった和紙屋杉原商店の杉原吉直さん、有難うございました!

杉原商店作品 瀧英晃

こちらはクラフトフェス実行委員会実行委員長の瀧英晃さん。1875年創業の大紙漉き屋「滝製紙所」の先進的な越前和紙職人さんで、蝋引きのブックカバーが銀座TSUTAYAで販売されたり、ホテルやお店へ和紙を活用した内装を提案し、高級ホテルチェーン「アマン東京」のエントランスにも滝製紙所の「簾水切り」という美しい越前和紙が採用されています。

滝製紙所作品 龍泉刃物ケース

こちらはツアーでお邪魔した龍泉刃物と越前箪笥の小柳箪笥がコラボした「ナイフギャラリーケース」。逸品である越前刃物を「より美しく魅せ、守ること」にこだわった作品です。

山次製紙所の茶筒

山次製紙所さんはデコボコが印象的な和紙「浮紙」を使った雑貨を販売しています。

山次製紙所の作品 台湾のチーム

台湾から来ているチームもあります。こちらのコウさんは、台湾の原住民の方が作ったイノシシとフクロウをモチーフとしたかわいらしい小物を販売。台湾では工芸で一生懸命おじいちゃんおばあちゃんが地方創生して、若者に戻ってきてもらえるよう工芸を守る取り組みが行われています。

イノシシとフクロウ

台湾の原住民の間で伝わる「自分たちの祖先がイノシシを追いかけその土地に定住した」や「フクロウの鳴き声を聞くと幸運がやってくる」という言い伝えをモチーフとした作品を作っています。素朴でかわいい。

三崎タンス店三崎タンス店はかわいい木の雑貨で出展!

ストランドビースト

世界的な彫刻家のテオ・ヤンセンさんが作る、風よってまるで生き物のような歩行をする作品「ストランドビート」の風を受ける帆の部分に越前和紙を使ったコラボ作品が展示されています。

高校生

お祭りを取材に来ていた地元の高校生の放送部の皆さんにインタビューされちゃいました!

鯖江のみなさん

越前市のおとなり、鯖江市から出展しているみなさん。

酒井さん

しゃかいか!がよくお世話になっているろくろ舎の酒井義夫さんも!

見学風景

ちょっと回りきれないほどの規模と熱量です。

出展者 出展者 見学中 オアシスエリア

屋外のオアシスエリア。ゆったりとくつろぐことができる良い天気です。

タケフ中央公園

アリーナのお隣の武生中央公園の芝生スペースがオアシスエリアです。
絵本「だるまちゃん」シリーズでおなじみ、越前市出身の作家かこさとしさんが監修した施設もあります。

かこさとし

公園近くにある、かこさとしさんの施設「ふるさと絵本館 砳(らく)」もおすすめですよ。

太鼓演奏

千年未来工藝祭のオアシスエリアでは、会期中途切れることなく多くのアーティストがパフォーマンスしていました。お祭りには欠かせない太鼓はもちろん、越前和紙の紙漉き唄など工芸とゆかりのある作業唄の演奏もありました。なるほど!工場や職人さんに音の風景はよく似合う気がしました。

和紙でできたドーム

このドームは越前和紙製です。

サウナの人たち

サウナの人たち。

ソースカツ丼

歩くソースカツ丼、お隣鯖江市からやってきた「サバエドッグ」をいただいて、ホッと一息ついた後は...

ワークショップエリア

ワークショップエリアにやってきました。行列ができるほど人気のブースもあります。親子連れが多くてとっても賑やかです。

ワークショップ風景 山口さん

伝統工芸品である越前箪笥をキャリーバッグにしてしまった箪笥職人の山口祐弘さんもいます。ものづくりに縁のある人たちが集まる場、それが「千年未来工芸祭」です。

ファニチャホリック ワークショップに挑戦

アイスクリームスプーン作りにチャレンジします。

ワークショップ ワークショップ

金属の棒を叩いて叩いて叩きまくって、

アイスクリームスプーン アイスクリームスプーン

スプーンの形になりました!

夜の千年未来工藝祭 夕方

楽しんでいるうちに時間を忘れ、たちまち外は暗くなる。

夜の会場 夜の会場

祭りはまだまだ続く...
越前の手仕事を巡るツアーと千年未来工藝祭のお祭りを通して感じたのは、人の営みや文化を支えてきた工芸という宝物をみんなが今も変わらずとても大切にしていることでした。お祭りに関わる人たちが口々に語っていたのは「若い世代のために」や「次の千年へ向けて」という言葉。そんな想いが受け継がれ、これまで越前和紙、越前打刃物、越前箪笥の長い歴史を紡ぐことができた理由なのだ、と思い至りました。出し物は変わってもより良い未来を願うみんなの気持ちは同じ。このお祭りがこれからの千年も続いていればいいな、と思いました。

記念写真

みなさん、ありがとうございました!

【詳細情報】

千年未来工藝祭

URL:https://craft1000mirai.jp/

株式会社 杉原商店

住所:福井県越前市不老町17-2
電話番号:0778-42-0032
URL:http://www.washiya.com/

神祖神 岡太(おかもと)神社・大瀧(おおたき)神社

住所:福井県越前市大滝町29-5
電話番号: 0778-42-1151
URL:http://www.washinosato.jp/

山次製紙所

住所:福井県越前市大滝町29-5
電話番号:0778-42-0553
URL:https://yamatsugi-seishi.com/

タケフナイフビレッジ

住所:福井県越前市余川町22−91
電話番号:0778-27-7120
URL:http://www.takefu-knifevillage.jp/

株式会社 龍泉刃物

住所:福井県越前市池ノ上町49-1-5
電話番号:0778-23-3552
URL:https://ryusen-hamono.com/company/

うるしや

住所:井県越前市京町1丁目4-26
電話番号:0778-21-0105

有限会社 三崎タンス店

住所:福井県越前市元町5-10
電話番号:0778-22-0568
URL:http://www.kagu8.net/

キリン刃物株式会社

住所:福井県越前市あおば町2-25
電話番号:0778-23-0031

「ちひろの生まれた家」記念館

住所:福井県越前市天王町4-14
電話番号:0778-66-7112
URL:http://chihironoie.jp/

かこさとし ふるさと絵本館「砳」(らく)

住所:福井県越前市高瀬1丁目14-7
電話番号:0778-21-2019
URL:http://kakosatoshi.jp/

株式會社ヒュージ(千年未来工藝祭プロデュース)

住所:福井県福井市順化2丁目3-8 前川ビル 2F
電話番号:0776-21-0990
URL:https://hudge.jp/

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