四万十にはいろんなビジネスとドラマがある 道の駅「四万十とおわ」

道の駅四万十とおわ今日の見学は道の駅!高知県の四万十川の196kmのちょうど真ん中「道の駅 四万十とおわ」に来ました〜!

すぐ四万十川がありますもちろん四万十川のリバーサイド!

ゆったりとした外観そして山の緑、高い空に囲まれてゆったりとした時間が流れています。
河原に降りて、川の水にふれることもできます。

本気でない奴はこないでいいから!代表の畦地履正(あぜち りしょう)さん。今日はよろしくお願いします。

会社のことはじめは、具体的な志がまったくなかった
畦地さんが四万十ドラマに参加したのは30才。今でこそ「地域ビジネス」ということばをあらゆるところで聞くことができますが、20年前は成功のお手本もなく、手探り状態。行政から活動経費を出資してもらってのスタートでしたが、よくある赤字垂れ流しの第三セクターに。何から手をつければいいのかわからない、真っ白な状態でした。

地域おこし、商品開発を目的としていろいろ実行したものの、作っておわり、広がりがありません。畦地さんはそこで自分たちに志がなかったことを知ります。そして、自分たちの志はなんなのか?を見つけるために、まずは地域の人に会いに行くことから考え直すことにしました。
さまざまな職業・立場・考え方を持った人に会うことによって、「今、ここにあるいいものを見つける」ことに気がつきました。

ひのき風呂転機になった「四万十のひのき風呂」
四万十川流域のひのきの間伐材や端材を活用した香り板。この木の板、廃棄してしまうような木の板なのですが、畦地さんは香りに目をつけます、もしくは鼻をつけます。このひのきの板をお風呂に置くことで香りを満たしリラックスできるというグッズにして、おしゃれな焼印をつけて販売したところ、これがヒット商品に。四万十ドラマがビジネスを生むことができることを実感した商品になりました。

水の本鮎×3年分が原稿料の「水の本」
こちらは「水との思い出、水をどう考えているのか」を18人に語ってもらった水の本。水を語る場所を作ることで、人の生き方やあらゆる本質を語ることにつながると考え、出版しました。著名な先生にもお願いしたのですが、当時は支払う原稿料も節約したい状況。ギャラは鮎10kgを3年分ということでお願いしました。

見つけた、志
さまざまな体験を積み重ねることでわかったことは、環境、手作りなど四万十川の地域にすでにある資源に価値がある、ということ。商品開発では「四万十川に負担をかけないものづくり」というコンセプトに行き着きます。
そして作ることに加えて、「自然の学校」という地域の人が先生になって四万十川で生きていく技術や知恵を体験するプログラムや、情報発信や森林保全を目的とした会員制度「RIVER」、次世代の産業づくりを継承する人材の育成なども合わせて進めていくことにしました。

ローカル、ローテク、ローインパクト
「四万十川に負担をかけないものづくり」とは、具体的に
(1)四万十川の共有財産である足元の豊かさ・生き方を考えるネットワークを構築する会員制度や観光産業の「ローカル」
(2)農林漁業に生きづく技術や知恵や第1次、第1.5次産業にこだわった商品・産業を生む「ローテク」
(3)四万十川に負荷をかけない風景を保全しながら活用する仕組みを作る環境ビジネス・風景保全の「ローインパクト」をのこと。
この考え方を関わる人たちが共有し、さまざまな成果が生まれる土壌ができました。

お茶ペットボトル寒暖の差が大きく、霧深い山間の気候の、四万十川流域は、実はお茶どころ。静岡などに原料として提供しているためあまり知られていませんでしたが、四万十ブランドの緑茶としてペットボトルで販売。

紅茶を使ったスイーツ2005年(平成19年)には、約40年ぶりに紅茶を復活させました。
じつは、四万十川流域は和紅茶発祥の地だったんですって。知らなかった。
そして紅茶を使った価値をさらに高めたスイーツや加工品に展開し、紅茶関連商品は利益を生み出す商品になっています。これまで農協に出して終わりだった四万十のお茶は、加工賃を地域に落とし雇用を生み出すようになりました。

新聞バッグ(イメージ)おばちゃんが生んだ新聞バッグ
古新聞を使ったバッグ。日本の折り紙文化と「もったいない」の気持ちが込められたこのバッグの生みの親は四万十川中流域に住むおばちゃんです。新聞紙を折って糊付けしたシンプルなものですが、ビールメーカーの350ml缶×6本のパックも持ち運びできるほどの強度を持っています。この商品の売り上げの一部は四万十川流域の環境保全に役立てられ、読み終えた新聞→折ってバッグになる→森へ還元されるという循環の仕組みを持ったという素敵なバッグ。
このバッグは多くの新聞やテレビで紹介され、高知県庁や銀行からも発注があり、高知県を代表する商品に育ちました。アメリカでも大好評で、ニューヨークのギフトショーでも紹介されました。

新聞バッグの作り方折り方も教わることができます
この新聞バッグの優れたところは、バッグだけじゃなくてその折り方も教えてくれるところ。商品に添えられている折り方の冊子を見ながら誰でも作ることができるようになっています。
新聞バッグには公認のインストラクター約400人がいて、開催される講座に参加し認定を受けると、インストラクターとして教室を開いたり自作のバッグを販売することができるようになります。日本はもちろん、アラブやベルギーなどの海外でもコンクールも開催、作り手が増えていくことで、新しいデザインやさまざまなバリエーションが生まれつづけています。

東北新聞バッグプロジェクト
新聞バッグは折り方を知ることができれば誰でも作ることができます。この特長を生かして、東日本大震災の被災地で雇用を生み出すことにも役立っています。これは東北新聞バッグプロジェクトとして四万十ドラマでは新聞バッグの折り方のインストラクターを派遣し、現在では東北だけで150人の新聞バッグの生産者が生まれました。このプロジェクトでは10万枚以上の新聞バッグが売れ、数億円の売り上げを被災地にもたらすことになりました。またこの活動を知ったイギリスのチョコレートメーカーのロイズや、北の国からでおなじみの倉本聰さんのの舞台でも使われ、新聞バッグをきっかけとした支援の輪がどんどん広がっています。

道の駅にお邪魔しますマイナスをプラスにする道の駅のマーク
四万十ドラマは2005年(平成17年)に第三セクターから完全民営化を遂げて2年後には道の駅四万十とおわをオープン。直販の場を作ることの他に、これまでのさまざまな挑戦の成果である商品の発表の場という目的も含まれていました。しかし、こちらの道の駅の開業の話が出た当時は村の9割が反対、1割が応援団という状態。10人いたら8〜9人には「人が来んからやめとけ!」と言われました。普通はここで諦めることになりますが、畦地さんは諦めません。

レストラン店内道の駅四万十とおわのお食事どころ

豪華な昼食「とおわかご膳」豪華な昼食!「とおわかご膳」

昼食をいただきますいただきますっ!

道の駅店内1割も応援してくれるのであれば、その人たちが毎日来てくれたらいい
十和村の人口は約3,000人、その1割の300人が毎日365日、単価1,000円買うような場にすればいい、これで1億円のビジネスになると超前向きな考え方でスタートしました。オープン当日には3,000人の村に5,000人が押し寄せることになり、オープン15ヶ月後には20万人の来場者を達成します。この「やろうとする力を見つける」マイナス思考をプラスに変える心意気は、道の駅四万十とおわの+はプラス、○は輪を表しているマークに込められています。
四万十川のほとりのほっこりする風景

道の駅で働くお母さん道の駅で働くお姉さんたち

おちゃくりcafe(外観)
おちゃくりcafe(店員さん)お茶と栗のカフェだから「おちゃくりcafe」
昨年には、四万十の特産物であるお茶や栗を使ったお菓子をつくる加工場&カフェ、その名も「おちゃくりcafe」がオープン。
おちゃくりcafe(イメージ)四万十川を眺めながら、スイーツや紅茶をいただくことができます。

おちゃくりcafe(ん〜うまい)ん〜、うまい

しまんと地栗(商品)実は栗も四万十川流域の名産。しかし、500トンだった生産量が30トンを切るほどの規模に縮小。ビジネスとして大きくならないから、栗の木を剪定する人がいなくなる、そしてその技術も受け継がれない、という典型的なよくない循環の商品でした。しかし単に復活させるだけでは同じことが繰り返される、と思い「栗をビジネスにすること」を目指します。波及効果を高めるためにしたことは技術者の育成。Iターンで募集した若手のスタッフに剪定の技術を伝え磨いておもらうことで、粒が小さくなっていた栗の粒が50gの大きな粒の栗が育つようにまでなりました。

地元名産栗を使ったスイーツこの大きな粒の栗をジャムやパウンドケーキなどの加工品にすることで、100本あれば5千円で 5千万円規模の産業だった四万十の栗を5〜10億円産業にまで成長させました。
10億円の産業にすることで、100人の雇用ができる、人が生活でき子供も生まれる場所になるという大きな目論見に近づくことになりそうです。

この栗産業の拡大は、一次産業が儲からないと、二次、三次につながらない、だから一次産業にこだわり(ローテク)、地域の資産を活用して特産品にする(ローカル)、環境を守りつつ活用する(ローインパクト)という四万十ドラマのコンセプトが価値を生み出した優れたモデルです。

本気で来て欲しい本気で来て欲しい
地域ビジネスの成功例に恵まれた四万十ドラマには、さまざまな地域のベンチャーや自治体、若い人たちが話を聞きに来ます。商品の生み出し方、情報の発信の仕方、地域の人との関わり方、人の育て方など、小さなビジネスのヒントがたくさん揃っているから。

お話の中で「来るなら、本気で来て欲しい」畦地さんは声を強くして言います。
話を聞いていたみんながドキッとなった瞬間でした。

「地域」を「ビジネス」にする、まだ今のように地域ビジネスという言葉さえない20年間から失敗を繰り返しながらも、自分たちでやってきたからこそのとんでもない説得力がありました。

みんなでパシャッ!畦地さんと記念写真、今日はたくさんお話をしてくださって本当に有難うございました!

【詳細情報】

道の駅 四万十とおわ

電話番号: 0880-28-5421
住所:高知県高岡郡四万十町十和川口62-9
URL: http://shimanto-towa.jp/
株式会社四万十ドラマ
電話番号:0880-28-5527
URL: http://shimanto-drama.jp/

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