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エコなトイレットペーパー作りには、使う人への思い込められた工夫がたくさん! コアレックス信栄

原紙イメージ

今日はトイレットペーパーの工場にやってきました。

記念写真

こちらはコアレックス信栄(株)という会社。
生協さんの「コアノンロール」シリーズの商品を中心に製造しており、今日は見学ツアーにしゃかいか!も参加させてもらっています。

製品写真

コア(芯)がない(ノン!)からコアノンロールです。
この商品が生まれたきっかけは1980年。ある生協の組合員さんが学校や自治体にある芯無しのトイレットペーパーを生協ブランドでも作れないか?という声から開発がスタートしました。
そして3年後の1983年に「コアノンロール」が誕生。
取り替える手間が省けてお父さんやお子さんが芯を置きっ放しにすることもなくなったと大好評。その後、専用の芯棒を必要とせずマンションなどのホルダーにも対応したワンタッチタイプも開発。お尻を拭くのにそんなに幅は必要ないよねと、紙の幅を114mmから105mmとコンパクトにしたり、紙質を変更しエンボス加工を施すなど数々の改良を重ね、生協を代表する製品になりました。

富士山

コアレックス信栄は富士山が目の前にそびえる静岡県富士市にあります。静岡県富士市は富士山の湧き水が豊かなので、この工場をはじめ、製紙工場が集積。日本の紙の約4割が富士市で製造されているのだそうです。

工場での勉強の様子

この工場の特徴は「ゼロエミッション」。
製造工程の見学の前に工場のことを座学で勉強します。
この工場のコンセプトは「ゼロエミッション」。つまりエミッション(廃棄物)がゼロ、ということ。
この工場で生まれるトイレットペーパーやティッシュペーパーの原料は古紙ですが、全てが紙に再生される訳ではありません。牛乳や飲料のパックの表面のフィルムや、オフィスで使った書類を閉じたホッチキスなどの金属が含まれているためです。この紙にならない部分は約3割。これらは通常、産業廃棄物になりますが、金属はリサイクル業者に委託し、牛乳のフィルムなどの廃プラスチックはグループ会社である川崎の工場へ持ち込み焼却され、焼却の際に発生する熱はエネルギーを蒸気に変えて、サーマルリサイクルを行い川崎工場の抄紙機に使われています。
また、再生紙を製造する際に、どうしても出てしまうペーパースラッジ(産業廃棄物)は、富士市の協同組合で焼却され、残った灰はセメントの材料になったり、北海道でゴルフ場の融雪剤に使ったりと、100%のリサイクルを実現しています。つまり何もゴミが出ない工場なんです。

見学へ

と予習したところで、みんなでヘルメットを装着し見学へ出発!

ヘルメット仲間

ヘルメット仲間だ!

いい天気

いい天気!

トマトの栽培

先ほどセメントの材料にもなると書いたペーパースラッジは、炭にして「ブラックライト」と呼ばれる培養土として、工場の中でのトマト栽培に活用されています。ブラックライトの混ぜ具合でトマトの美味しさを比較し、ブラックライトを30%混ぜたトマトが一番糖度が高いという結果も出ました。ここで収穫されたトマトは、先週行われた工場のお祭りで、ご近所の皆さんにも振る舞われたのだそうです。

避難所のマーク

避難所のマーク?
東海沖地震が心配されている富士市にあり沿岸から約4km離れているものの、富士川からの津波が心配されているエリアにあるため、この工場は富士市との協定によって緊急避難場所に指定されています(民間の工場としてはおそらく初めて)。
水・食料・毛布などを備蓄し、工場の建屋が震度7以上の耐震性能を持って作られているほか、セキュリティの観点から通常の工場にあるべき高い外壁はなく、いざ地震の時には近隣住民のみなさんがすぐに逃げ込めるように、囲いはチェーンのみでほとんど開放状態になっています。

また、いざという時だけではなく、もともと一般住宅地の中にできた工場なのでいろんな気配りがあります。防音設備はもちろん、せっかく見える富士山が高い煙突で見えなくならないように高層化は避け2階建にするなど、ご近所の住民の方の居住性にも配慮した作りになっています。

受け入れ場所

ここが原料の受け入れ場所。
古紙をサイコロ状に固めた「ベール」になって紙の種類別に保管されています。種類にもよりますが、ベール一つが約1トン=約20本分の立木です。

番号

書いてある番号は持ち込み業者や紙の種類(ケント紙や模造紙...などなど)などを管理するためのものです。
色や原料別に整理整頓されています。これは古紙をリサイクルする際の白さや配合具合を適正にするため。
ここに保管された古紙は、なんでもどんどん加工すればよいというわけではなく、白さや不要物の割合など原料の配合が考慮され適正な割合や順番で投入していかなければなりません。

荷下ろし

トラックから荷下ろしします。

チリ紙交換

ご近所の皆さんも古紙を持ってきて、トイレットペーパーなどと交換することができます。
チリ紙交換のシステムがここにもあります。

古紙イメージ

ここに持ち込まれる古紙は様々な種類があります。

雑誌

雑誌や

チラシに空箱

チラシに空箱、

オフィスペーパー

オフィスで使われた書類も。
ここでお見せすることはできませんが、会社で使われた機密書類もこの工場の担当者が立会いのもと、開封する事なく再生工程へ進みます。

今は夏なので飲料のパックが多め。
内側にアルミが付いたものも、この工場だと原料にすることができます。

古紙は水で溶かしてほぐせば、植物のパルプに再生できる宝の山。
景気が上向くと紙も増え物流が活発になり、ここに持ち込まれる古紙を見ていると、なんとなく日本経済が見えてくるのだそうです。

最近ではオフィスのペーパレス化、新聞や書籍などの出版不況などで古紙は減ってきているのだとか。さらに日本の古紙は良質ということで、海外の業者が大量に買い付けるため質の良い古紙が国内に出回らず、価格も高騰している状況。
しかし、こういった状況に対応するため、最新の設備を導入することで、これまで捨てなければならない不純物だった部分も原料化していこうとしています。

構内

工場の構内はいたるところに水が流れています。
紙を作るには、原料の溶解や洗浄、紙すきなどで紙1に対して水を100使えるのが理想的と言われていて、たくさんの水が必要です。
この工場は毎日2万リューべ(2万立方メートル)の水を使用することができる権利を静岡県から与えられていますが、それでもできるだけ水は使わないように、と実際は1.7〜1.8万立方メートルに抑えて稼働しています。

浄水設備へ

そして、水はそのまま流すことはもちろんできないので、人工的にバクテリアを飼育して汚れを食べさせて除去する「活性汚泥」という方法で浄化し排水します。

浄水設備

この水槽の中でバクテリアを飼育し汚れを餌として食べさせます。気温に合わせて水温を調節し、酸素や餌(食べてもらう汚れ)の量も調節し、上澄みのきれい水だけを近くの富士川に流します。

パルパーヘ

集められた古紙はパルパー(古紙を水や薬品で溶かす装置)に投入。
パルパーの中で細かく裁断しながら水や薬品で混ぜられ紙がふやかされていきます。

次に、紙をふやかす工程をおこなう「熟成タワー」。
仕込まれた古紙(原料)を12〜20時間ほどこの中で熟成。
粗離解(あらりかい)という工程で、表面のフィルムが剥がしやすくなったり、紙の繊維を取り出しやすくします。

吸い上げ 見てる人

パルパーでふやかされた原料が熟成タワーに吸い上げられていき、次に「HDクリーナー」と呼ばれる機械で竜巻状に原料をまわします。遠心力で金属や石など重量のある不純物を除去します。

スクリーン1 見ている人たち 除去された金属 セパレーター 廃プラ

さらに「セパレーター」という洗濯機を横にしたようなマシンで、ラミネートや廃プラスチックを剥がしていきます。一度に除去できないので何段階かに分けて原料の純度を高めていきます。その後、取り除かれた廃プラスチック類は脱水され、グループ工場のボイラー設備にてサーマルリサイクルされます。

脱墨 脱墨2

「脱墨(だつぼく)」という工程。
まだドロドロの液状の元古紙。原料に気泡を起こし、その泡の表面にインクを吸着させ、泡だけを取り除きインクを除去します。その後、原料の水分は絞られ殺菌、漂白、いよいよ紙になっていきます。

検査

これがトイレットペーパーの原料を脱水したもの。
毎日決められた時間にサンプルが採取され色味がチェックされます。
ここでもし、ピンクや黄色など色が付いているものが発見され規格外と判定された場合は、仕込み工程で調節されます。

暑い

工場の中はとっても蒸し暑い。
夏場は湿度が50〜60度ほどになることもあります。冬場は湿度が軽減されるので少しは快適になるのかというと、さにあらず。冬場の方が静電気が発生し加工しにくくなるので冬場はわざわざ加湿器で湿度を上げて湿度を調整。夏は結構過酷な製造現場になりますが、紙を作るには湿度がとても大切なのです。

コントロールルーム

飲料は現場にはもちこめませんが、区域ごとに設けられた部屋の中には冷蔵庫、水分や塩飴が常備。場所を離れられない担当者は水筒を持って作業します。

抄紙機

どどーん。
これが抄紙機(しょうしき)と呼ばれる紙をすく機械。ウェット状の原料を、抄紙機のドライヤーパートにて、高温の熱を加え乾燥させ原紙として巻き上げます。
芯無しトイレットペーパーは駅や公共の施設でザラザラしてて固いというイメージがあるため、当初は使い心地が良くないのでは?という疑問の声もあったそうですが、紙のすき方の研究が重ねられ、発売30周年の2013年にエンボス加工により、より柔らかい紙質のものに生まれ変わりました。

原紙

ぐるぐるぐるぐる。大きなトイレットペーパーになっていきます。
この工程では紙すきと乾燥をおこない、シングル用・ダブル用の原紙ロールが作られます。
ちなみに、トイレットペーパーのシングルとダブルの使用率ですが、関西ではシングルが多数派、関東ではダブルが人気。関東では「お客様がいらした時にダブルの方がいい」というお声があったのだそうです。地域差があって面白いですね。

原紙2

長さは約4,600m!トイレットペーパーにすると1万ロール分くらい。
直径が約2m17cm、幅は約2m83cm、重さ2.5tくらいです。
何人分のお尻が拭けるのでしょうか!

巨大な原紙

巨大トイレットペーパーは加工の工程へ。

巻き取り

実際に使うサイズに巻かれていきます。
芯無しタイプはトイレットペーパーを鉄芯に直接巻き込み、芯部を保湿剤を噴霧して固めていきますが、とても気を使う工程。
芯の部分にノリをつけすぎると最後まで紙として使い切ることができず、かといってノリが薄くくっつかないと芯がくるくる回らずに使いにくくなるため、微妙な加減が必要。製造者としては非常に苦労するところなのだそうです。

エンボス

黒いローラーで表面のエンボス加工が施されます。
エンボス加工を施すことでよりソフトな使い心地になります。

長いロール カット

そして、カット。

検品 包装へ

カットされたトイレットペーパーは表面の汚れや破れを検査され、包装へ。

芯穴修正機

でも!その前に「芯穴修正機」を通過します。

芯穴修正機アップ

上下に並んだ芯穴にスポッと。穴を丸くしていきます。
トイレットペーパーの使いごこちにここまで気を使うなんてびっくりです。

滑り落ちる

滑り落ちてきます。

包装機 包装後 梱包へ

6つずつに包装され、

梱包

包装の検品を行いダンボールに詰められます。
「コアノンロール」は一般的なトイレットペーパー(約60m)に比べて倍ほどの130mの長さ(シングルの場合)があるので重量もずっしり。配達員さん泣かせですが、お客さんは大喜びです。
こうして配達され、それぞれの生協へ、そしてあなたのトイレに運ばれていきます。

コアノンロールの製造の様子を動画でもご覧ください!!

挨拶カット

今日の見学をガイドしてくださったコアレックスの皆さん。有難うございました!

お尻にもやさしく環境にも配慮した、そんな素敵なトイレットペーパー工場。
環境配慮の設備はもちろん、ご近所の皆さんにとても配慮した工場で生み出されるトイレットペーパーは、エコな視点と、柔らかな紙質や芯穴の修正といった使い心地を両方考えられた製品。使う人目線の優しさがたくさん含まれていました。そしてもっとより良いものをこれから提供していくという工場の皆さんの、トイレットペーパーにかける熱い思いを感じることができました。

【詳細情報】

日本生活協同組合連合会

生協の組合員さんとコアレックス信栄さんとの交流会の様子はこちら(コープ商品サイト)

コアレックス信栄株式会社

電話番号: 0544-23-0303
住所:静岡県富士宮市安居山775-1
URL: http://www.corelex.jp/

(text:西村、photo:市岡)

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