エイブル・アート・ムーブメント30周年。これからの社会をひらく対話と実践を考える3日間「Space for the Next Things」開催

1995年に提唱された「エイブル・アート・ムーブメント」は、障害のあるなしにかかわらず、社会的に弱い立場にある人のニーズから社会のあり方を構想し、“オルタナティブな生”を探ってきた市民芸術運動です。
その歩みが30年を迎える2025年、一般財団法人たんぽぽの家とNPO法人エイブル・アート・ジャパンは、これまでの実践と未来を共有する「エイブル・アート・ムーブメント30周年記念フォーラム Space for the Next Things」を京都市京セラ美術館にて開催します。
会期は11月28日(金)〜30日(日)の3日間。アートと福祉、テクノロジー、市民社会の関係をあらためて問い直し、これからの社会づくりについて多様な視点から語り合う場がひらかれます。
フォーラム(講演室)
会期中は、文化やコミュニティ、デザイン、法など、多様なテーマでセッションを実施。各日定員80名の申し込み制(締切:11月21日)で、初日には交流会も予定されています。
11月28日(金)

セッション1「企業とNPOでつくる市民社会」〔13:40〜15:00〕
・井上武(トヨタ自動車社会貢献部部長)
・東中健悟(近畿労働金庫 営業推進部 地域共生推進室 室長)
・田村大(リ・パブリック共同代表)
・牧陽子(日本マクドナルド株式会社 ソーシャル インパクト部 部長、一橋大学 非常勤講師)
・柴崎由美子(NPO法人エイブル・アート・ジャパン代表理事)
セッション2「場と営みからはじまるもの」〔15:10〜16:30〕
・大西麻貴(建築家/o+h)
・中島諒人(鳥の劇場芸術監督)
・森下静香( Good Job!センター香芝 センター長)
11月29日(土)

セッション3「『傾き』に魅入られる私たち」〔10:40〜12:00〕
・奥山理子(アートプロデューサー、キュレーター)
・白石正明(編集者)
・高橋梨佳(NPO法人エイブル・アート・ジャパン事務局長補佐)
セッション4「表現とケアとテクノロジーのこれから」〔14:30〜16:00〕
・緒方壽人(デザインエンジニア)
・筧康明(インタラクティブメディア研究者/アーティスト、東京大学大学院 教授)
・木村基(四天王寺和らぎ苑 リハビリテーション室 主任、作業療法士)
・小林茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)
・小林大祐( 一般財団法人たんぽぽの家 Art for Well-beingプロジェクト事務局)
11月30日(日)

セッション5「舞台の先にある社会」〔10:40〜12:00〕
・田中みゆき(キュレーター、アクセシビリティ研究、社会福祉⼠)
・森田かずよ(ダンサー、俳優)
・中島香織(一般財団法人たんぽぽの家 事務局長)
セッション6「よきデザインの現在と未来」〔14:00〜15:20〕
・原田祐馬(デザイナー、UMA / design farm)
・水野大二郎(デザイン研究者、京都工芸繊維大学教授)
・藤井克英(Good Job! センター香芝 企画製造ディレクター)
・岡部太郎(一般財団法人たんぽぽの家 理事長)
セッション7「法の余白とルールメイキング」〔15:30〜16:50〕
・水野祐(法律家/弁護士)
・猪瀬浩平(明治学院大学教授/文化人類学者)
・後安美紀(一般財団法人たんぽぽの家スタッフ)
展示・交流(光の広間)
会場となる光の広間では、これまでのエイブル・アート・ムーブメントの歩みと、各地の団体による多様な取り組みを紹介する展示と交流プログラムが行われます。展示と交流は会期中、どなたでも無料で閲覧可能です。
11月28日(金)12:00〜17:30
11月29日(土)10:10〜17:40
11月30日(日)10:10〜13:30
1|アートがつなぐ人と社会
社会を創造的にかえていくための多様な活動が国内外で進んでいます。芸術文化へのアクセシビリティを高める取り組み、地域の次世代へのアウトリーチ、まちに開かれた福祉施設のあり方の模索など、コミュニティにおけるアートと福祉の関係性を再考する試みが各地で展開されています。
さらに、アートを通した災害復興、生涯学習としての表現活動の可能性を探る動きも紹介されます。異分野連携による共創プロジェクトや、創造・鑑賞に関わる環境・基盤整備なども含め、国内外で生まれている実践が幅広く集まる構成です。
出展団体:アートセンター画楽/アトリエみつしま/エイブルアート芸術大学/クリエイティブサポートレッツ/THEATRE for ALL(株式会社precog)/スウィング/ポラリス/やまなみ工房/リベルテ、ほか
2|交流プログラム
アジア太平洋地域を含めた国内外からゲストを迎え、トーク、パフォーミングアーツ、ドキュメンタリー映像の上映を実施。
11月28日(金)16:40〜17:30 「エイブル・アート・ムーブメントをどうみるか」
塩瀬隆之(京都大学総合博物館准教授)、長津結一郎(九州大学大学院芸術工学研究院准教授)
11月29日(土)13:00〜14:00 「これからの私たち①」
上田祐嗣(アートセンター画楽代表)、山下完和(やまなみ工房施設長)、久保田瑛(クリエイティブサポートレッツ)
16:20〜17:40 「アジア太平洋のネットワーク」
David Doyle(DADAAディレクター/オーストラリア)、Hang Li(Sandwishes Studio 共同代表/台湾)、Ko Jaephil(MEDIA PEELING/韓国)
11月30日(日)12:30〜13:30 「これからの私たち②」
川本尚美(片山工房)、中津川浩章(美術家/エイブルアート芸術大学)
3|エイブル・アート・ムーブメント30年の軌跡とこれから
ポスターや報告書などの資料とともに、ムーブメントの展開を紹介。
「みんなでミュージアム」「NEW TRADITIONAL」「Good Job! Digital Factory」など、現在進行中のプロジェクトも展示され、未来へ向けた視点の広がりを共有します。
4|GOOD JOB STORE
障害のある人の創造性をいかしたものづくりや、企業の製品へのデザイン利用、震災復興の仕事づくりなど、障害のある人とものづくりをとりまく環境は多様です。GOOD JOB STOREでは、各地でうまれたプロダクトを、それぞれの活動のバックグラウンドとともに紹介します。
出展:アートスペースからふる/かすたねっと/Kiitos/嬉々!!CREATIVE/暮らしランプ/工房まる/しんせい/torinoko/NOZOMI PAPER Factory/poRiff/Laboratorio Zanzara/La mano/motif/ABLE ART COMPANYとのコラボ商品(H TOKYO、山陽製紙株式会社、JAMMY、Tabio、FELISSIMO、山田繊維むす美)/たんぽぽの家アートセンターHANA/Good Job!センター香芝ほか
ほかにも交流のプログラムなどが行われます。全プログラムや申込案内は、たんぽぽの家ウェブサイトで公開されています。日程や内容の詳細をご確認のうえ、ご参加ください。
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