東海の発酵文化をめぐる旅、再び。「発酵ツーリズム東海」第2章へ向けたクラウドファンディングを実施中

発酵食品は、その土地から離れずに、土地ならではの自然や文化的背景の中で守られ、育まれていくもの。そんな多様な“うまみ”が集結し、それが今も各地で大切に続いている東海三県ならではの発酵文化と土地の魅力を、さまざまなプログラムを通じて国内外に発信しているのが、第1回「発酵ツーリズム東海」です。
発酵ブームも熱も高まり、イベント開始からわずか2週間で2万5000人が来場という大盛況!熱が冷めやらぬ間に、見逃せない続報です。
現在、第2回「発酵ツーリズム東海」の開催を目指して、クラウドファンディングが行われています。
「発酵ツーリズム東海」大反響の裏で見えた、地域の食文化のピンチを救いたい!」
クラウドファンディングページ (2025年8月25日まで)
好評を博した第1回「発酵ツーリズム東海」

第1回「発酵ツーリズム東海」は、『3つの展覧会、50の蔵開き、100のうまみ体験』を掲げて開催されました。展覧会にチェックインし、東海三県(愛知、岐阜、三重)のあちこちで行われるワークショップや蔵見学、ローカル体験ツアーに参加できる企画です。
このプロジェクトの大きな特徴は、展覧会とツーリズムが一体化していること。会場で地域の発酵文化を学ぶだけでなく、その期間中に催されるツアーやワークショップ、マルシェといった多彩なプログラムもすべて展示の延長として体験できます。
会場で得た知識が、実際に旅先を訪れることで立体的な理解と特別な記憶に変わります。「あ、あの展示で見た蔵だ!」と、まるで聖地巡礼のような感動を味わえるのも、このプロジェクトの醍醐味です。


会期序盤の目玉企画のひとつが、協賛のJR東海と共催した型破りな発酵ツアーです。
この特別ツアーでは、新幹線に岐阜の芸者たちと地元の蔵元が乗車。岐阜の白木恒助商店(達磨正宗)、愛知・半田の伊東合資会社(敷島)のお酒がふるまわれ、東海の発酵食をふんだんに盛り込んだ特製弁当を堪能しながら移動するという、他にはないユニークな試みが実現しました。
そのほか、「発酵食を味わうウォーキングイベント」や「酒マルシェ」、ミツカン本社内で開催された驚天動地のおすしイベント「世界SUSHIサミット」などなど、ユニークな企画が多数開催されました。
地域の未来を、地域のみんなで考える
「発酵ツーリズム東海」は、一見すると愉快なオトナの文化祭のように見えますが、その背景には深刻な社会課題が潜んでいます。
気候変動や少子高齢化、地域インフラの衰退により、お米や大豆だけでなく魚や野菜を含む食を支えるあらゆる産業が限界に近づいています。原料やつくり手、資材や設備が失われていく現状は、長いあいだ食やものづくり、地域の営みが軽視されてきた結果ともいえます。
お味噌や日本酒、漬物などの伝統食は、国内で作れなくなれば、もう二度と同じものを手にすることはできません。これは単なる値上げの問題ではなく、文化と暮らしの選択肢が失われていく危機でもあります。
こうした状況を踏まえ、「発酵ツーリズム東海」では、地域に根ざす文化と産業の価値を改めて見つめ直し、未来に手渡す取り組みを進めています。特徴的なのは、地元の人たち自身が主体となって企画や運営を担う「ご当地スタイル」。県も分野も越え、多様な仲間が集まり、手弁当で知恵を出し合いながら、一つひとつのプロセスを地域の財産に変えています。

こうした思いと挑戦の延長に、2028年に2回目となる「発酵ツーリズム東海」を開催する目標が掲げられています。
これは単なる現状維持ではなく、地域の未来を自分たちの手で築いていく試みです。
このプロジェクトを実現するためのクラウドファンディングの目標金額が達成すれば、次回の開催が正式に決定するとのこと。未来の地域文化を支える大切な一歩になります。
地域の知恵と営みを次の世代へとつないでいくこの挑戦に、支援というかたちで参加してみてはいかがでしょうか。
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