【熊本】“いただきます”を映像に込めて。ヤマチクがクラウドファンディングで映画制作へ

熊本県南関町にある竹箸メーカー「ヤマチク」が、短編映画『いただきます』の制作に向けたクラウドファンディングを立ち上げました。「こころの分断を『いただきます』ではしわたし。」という想いを込め、箸をつくり続けてきた企業が、今度は“言葉”と“映像”で、社会と人との関係性を紡ぎ直そうとしています。
こころの分断を「いただきます」ではしわたし。老舗お箸メーカーが短編映画制作に挑む
https://for-good.net/project/1002000
「いただきます」という言葉には、ただの習慣にとどまらず、命をいただくことや作り手への敬意、自然や素材への感謝が込められています。しかし近年、SNSなどでは「偽善的」「気持ち悪い」といった否定的な声もあがるようになり、その背景には、言葉の意味を丁寧に受け取る機会の減少や、価値観の多様化による“こころの分断”があるのではないかと、ヤマチク代表の山﨑彰悟さんは語ります。

この映画は、そうした分断をもう一度つなぎ直す、“はしわたし”の試みです。主演は、熊本を拠点に活動する俳優・岡田蓮さん。監督には、映像クリエイターの中川典彌さんを迎え、撮影は自然豊かな熊本県内で行われます。熊本に縁のある俳優や、地元で活躍する若い映像クリエイターたちとともに制作が進められています。タイトルはずばり『いただきます』。ありふれた食卓の風景の中に、日本人が受け継いできた感謝のこころを、そっと浮かび上がらせるような物語です。


クラウドファンディングは2025年5月にスタートし、公開からわずか1週間で目標額200万円を達成。6月20日時点では約350万円、支援者は190名にのぼっています。現在は“ネクストゴール”として500万円を掲げ、さらなる支援を呼びかけています。集まった資金は、映画の制作費や映画祭への応募、プロモーション費用などに充てられる予定です。

「ITADAKIMASUという言葉が、いつか世界共通語になる日が来たら」。そんな山﨑さんの夢には、ものづくり企業としての信念と、社会に向けた優しい問いかけが込められています。
支援の受付は6月30日まで。
未来の食卓に、ふたたび“いただきます”が響きわたるように。あなたもこの映画づくりの一員になってみませんか?
■クラウドファンディングページ(支援受付:2025年6月30日まで)
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