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消費者といっしょに作る愛情と工夫がいっぱい詰まった缶詰 トーアス

交流会・工場見学ツアー日本生協連では、CO・OP商品をつくっているメーカーの方との意見交換をするなどの交流を目的としたイベントを定期的に行っています。

出発全国の生協を代表した組合員や職員の皆さんが愛知県豊橋駅に集合。
今日お伺いするのは、「大豆ドライパック」を供給しているトーアス株式会社さんです。
バスにのってレッツ・ゴー!

これが大豆ドライパックたちこれが大豆ドライパック
この大豆ドライパックは、缶を開けて水洗いせずにそのままでも食べられる便利さが、組合員さんの間で人気の定番商品、2015年6月にリニューアルしました。
その人気の秘密がきっと工場にあるはず。

ドライパックを食べてみる食べたらわかる
ドライパック製法の大豆の特徴は、ギュッ!と凝縮して詰まっている素材の風味と、ふっくらな食感。

水煮とドライパック食べたらひと口でわかる、ということで水煮の大豆(左)と大豆ドライパック(右)を食べ比べさせてもらいます。

ドライパックをパクッドライパックの大豆をパック〜☆
水煮と食べ比べてみると、素材のうま味が水に溶け出さずにそのまま残っていて、少し濃い味わい。「私は大豆ですっ(イメージです)」とひと粒ひとつぶが主張している感じです。
また、食感もふっくらとしたツブ感が残っててお豆を食べていることを実感することができます。このふっくらとした食感の秘密は高真空でパックされているから、だそうです。

今回の交流会では、参加者のみなさんから「大豆ドライパックへのご意見を組合員さんから集めたり、使い方のアイデアを持ってきて!」という意見交換の会も行われました。

参加者からは活発な意見が
参加者からは活発な意見が2今回リニューアルされた大豆ドライパックの「開けやすさ体験会」の報告や、組合員さん考案のオリジナルレシピの発表、原料のトヨマサリという品種を採用している理由を聞いたり、活発な意見や質問が飛び交ったりで、次第に交流会の熱も高まってきました。

災害備蓄食つづいて、管理栄養士で食育指導士、日本災害食学会災害食専門員、フードライフコーディネーターなどなど、さまざまな資格を持っている食の先生であるアドバイザーの今泉マユ子先生の大豆の持つ能力や、災害食としての可能性などのお話の後…

お料理をいただくドライパックを使ったレシピのお料理を試食!
ドライパックを使ったお料理たち。大豆とひじきのオムレツやひじきはんぺんバーグ、ミックスビーンズのクリームチーズ和え、などなど。
じつはこのお料理、今泉先生と組合員さんが考えたレシピを、会場のレストランのシェフが腕をふるってくれたものなんです。

お皿に並んだ大豆ドライパックのお料理じゃじゃーん。

お料理をいただきながらおいしいお料理をいただきながらだと、組合員どうしの情報交換もより活発になります。

工場、行ってみようっ!

勉強会に続いては、工場見学。

日本生協連の山口さん日本生協連加工食品担当の山口さん。
今日のガイドもします。

穂ノ原工場の外観写真トーアス株式会社では第一工場でドライパックの缶、穂ノ原工場ではドライパックのパウチタイプと作る場所が分かれています。まずはパウチタイプから、順番に見学!

着替える食品を取り扱う工場なので、衛生服に着替えます。

トーアスの金澤さん説明してくれる金澤さん。レトルトパウチ・スティックチーム所属!

いよいよスタートですいよいよスタートです。

見学者通路から見学見学専用通路から見学。
大豆ドライパックは、(1)原料の水洗い(2)浸漬(水に浸す)(3)ボイル、湯きり(4)選別(5)充てん(パッケージへ詰める)、缶の巻き締め※(6)加熱殺菌といった製造工程で作られていきます。
※巻き締めは缶詰の場合、必要な工程です。

原料の大豆100%北海道産トヨマサリ
こちらが原料の大豆。大豆ドライパックでは北海道産トヨマサリという品種を100%使用しています。

原料のトヨマサリこのトヨマサリは、大粒で甘みがある国産の白芽大豆。供給量の安定性も考慮され採用されました。

原料を投入原料の大豆を、この中へ入れていくところからスタートです。

浸漬工程浸漬工程。
乾燥大豆を水に数時間浸すことで、豆に含まれる水分が約2倍になります。一つのタンクで約30kgの大豆が入ります。

水に浸る大豆水に浸します。

ボイルしますボイルします。

ボイルを待つボイルこの大きなザルの入れものに入れてボイル。最後に加熱殺菌の工程があるので、この段階では豆の中の芯がある程度残る程度にボイル。

ボイル(アク)
水流でアクを飛ばす水流でアクを飛ばしていきます。

湯きりへよっこらショッと!120kgの大豆を次の湯きり工程へ。

ドバーッと湯きりのザルへ投入!ドバーッと

湯きりされた大豆このままでも食べたいけどガマン。美味しくなるんだよ、と願いを込めて送り出します。

選別続いて選別。このステップでは、人の目と手で、豆からはがれた皮や割れてしまった豆などの不良豆を取り除きます。
選別の担当は一つのラインにつき3名。

工場見学真剣「大変ねぇ、でも人の目だけで見分けられるのかしら?」とスルドイ質問。

選別(手元)選別(正面)
この選別担当者は1週間に一度、抜き打ちテストのようなものがあり、きちんと不良豆を見つけて取り除くことができるかを、判定される検査があります。不良豆を見つけることができる人だけがこの現場を担当できる、緊張感があるけど大切な仕事。もちろん後でX線や金属探知機など機械で検査もするのですが、口に入るものだから、そしてよりおいしく食べて欲しい、という思いが込められた工程です。これから心して食べよう。

教えてあげたい「みんなに教えてあげたい」

充てんマシン素早くたくさんの仕事をこなすパウチタイプの充てんマシン。
この工程では袋の口を広げて大豆を入れるほか、バーコードや賞味期限などの印字のチェック、チッ素置換、ヒーターバーによる口の熱圧着と冷却、という一連の作業を一つのマシンで行っています。

充てん(パウチ)大豆を入れるために袋の口をひとつ一つ開いていきます。

充てん(パウチ2)パウチタイプは、袋の中にチッ素が充填されます。このチッ素置換を行うことで袋の中の酸素を1%以下にして大豆の酸化を防ぎます。保存料などを使わずに安全・新鮮なものを食べてもらうためのテクノロジー。

ドライパックは大豆の他にも、ひじきやスイートコーン、ミックスビーンズがありますが、生産する商品を変えるたびにラインの清掃や組み立てをしなければなりません。ほぼ毎日このラインづくりから行うのだそうです。

大変ねぇ毎日は大変ねぇ。

充てん後のライン1充てん後のライン2
充てん後のライン3充てん後は並んで加熱殺菌を待ちます。

パッカーン第一工場で生産されるのはドライパックの缶の方です。
大豆が充填されるのは実は、フタの方ではなく缶の底の方から。大豆が入った缶は、真空の場所で密封されることで、缶内部に含まれていた空気が「シュッ」と出ていき、高真空状態になります。ドライパック缶を開けたときの「パッカーン!」という音は、この真空状態の缶の中に空気が戻った時に圧力が開放され発生する音。いうなれば「高真空状態じゃなくなりました!」という音です。

巻き締め缶の底は巻締(まきしめ)という方法で密封されます。この巻締は缶の胴部分とフタをされる缶底の縁を巻き込んで、フタをする方法。
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手軽に使って欲しいから、開けやすさまでとことん追求
今回の商品リニューアルで改善されたポイントの一つが、商品の開けやすさの改善。
密封性の確保のためにしっかりとした缶とフタが採用されていて、リニューアル前は「開けるのに指の力が要る!」や「爪が痛くなる」などの意見を組合員さんからリクエストをもらっていました。しかし、今回のリニューアルで缶のフタを胴部分から引き剥がす力が格段に少なくて済むように改善されました。
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缶のフタのしなりを防ぐ工夫で開けやすく!
缶のフタのしなりを防ぐ強度を持たせることで、小さな力でも簡単に引き剥がすことができるようになりました。
缶フタの溝や突起物が強度を保つ工夫なのですが、検討をはじめてから実施に至るまではなんと2年かかりました!容器のメーカーを数社に絞り込んだ後、開口性の評価を実施。
缶のフタを開けるステップを「(1)プルタブを起こす」「(2)フタを引き起こす」「(3)缶胴からフタを完全に引き剥がす」という3つにわけ、どこに違いがあるのかを調査。結果わかったことは(2)のフタを引き起こす時の差が缶によって歴然と異なることがわかり、一番、力が要らなくて済む缶を候補にしました。

さらに、密封性や腐食しないか、落下強度、圧力をかけてもへこまないか?輸送の時に不具合がでないかなど、さまざまな適正も含めて検証し、新しい缶を採用することにしました。
この新しい缶によって、お年寄りや小さなお子さんでも簡単に開けることができるようになりました。もともと「お手軽に使って欲しい」という思いからスタートしたドライパックは開けやすさにまで、とことんこだわっています。

二つ使って開けるメーカーの裏ワザを披露!
今回のリニューアルで開けやすさは改善されたのですが、プルタブの起こしやすさにはまだ課題が残っています。
「そこでプルタブを起こしやすくする方法をご紹介します」と営業チームの清王さん。参加者のみなさんが注目します。

二つ使って開ける(アップ)缶のプルタブ部分をもう一つの缶のヘリの部分に引っ掛けて、引き起こすと小さな力で引き起こすことができます。という方法。

裏技やってみよう「アラ、たしかに!」

清王さん「でもこの方法は缶が二つ必要なので、ぜひお買い求めの際は、二つで注文してくださいねー」としっかりアピール!
爽やかな笑顔でさらっと宣伝するところ、さすがです。

大豆ドライパックイメージ缶がどんどんんこの巻き締め工程は缶詰を作る上で、密封や強度を保つためのとても重要な工程で、生産現場の腕のみせどころ。容器メーカーごとに少しずつ異なっている缶のサイズにあわせて、充てん工程の機械を微調整しながら製造されています。

加熱殺菌マシンへレトルト釜充てんされた缶は最後の工程、加熱殺菌へ。
この工程こそがドライパックならではのもの。
水煮は「茹でる」、ドライパックは「蒸す」ところが違います。
大きなレトルト釜の中で加熱殺菌されます。この加熱によって大豆の水分が蒸発し水蒸気になり、缶の中を対流することで、ふっくらして風味がギュッとつまった大豆ができあがります。
レトルト釜へ一日で30,000〜40,000缶のドライパックが加熱殺菌されます。
そして、箱詰めされ、みなさんの食卓へと運ばれていきます。
製造風景の動画もどうぞ!

東洋アスパラガス東洋アスパラガス?
工場の中で発見したケース。トーアスさんの前身は「東洋アスパラガス」。
現在の社長のおじいさまが「東三河でホワイトアスパラガスの缶詰工場を作ってほしい」と愛知県から依頼されたのがきっかけで、近隣の会社9社の共同経営からスタート。昭和30年に設立されました。

しかし、ホワイトアスパラガスは朝早く起きて収穫し、日に当たるとグリーンアスパラになってしまうなど、生産者に負担が大きく、原料の調達は年々先細りに。みかんや桃、グリーンピースなど他の原料にも挑戦しましたが、なかなかうまくいかず、共同経営していた会社も資本を引き揚げ、おじいさま一人が経営することに。やむをえず、ある大手ブランドオーナーの出資を受け、ほぼ子会社状態となりました。

「to 明日」で、トーアス!
その後、昭和52年、二代目のお父さんが経営を引き継いだものの、直後にそのブランドオーナーの大リストラの影響を受け、資本を引き揚げられるとともに、多くの仕事を失うことになりました。
どう考えても会社の継続は無理、社長は廃業を決意します。しかし「このままでは終わりたくない」という社員たちの情熱と「運転資金はいくらでも出すから、頑張れ」というメインバンク(信金)の激励の言葉に背中を押され、社長一人で全国を回り新規開拓を開始。今につながる多くのブランドオーナーとの取引がそこから始まったのでした。
ちょうど生協とのおつきあいがはじまったのもその頃で、はじめての取引は品切れしてしまった別メーカーの「ゆであずき」のピンチヒッター。一度作って納入したところ、味も良いし、品質もよい、ということで取引がはじまり「もうすこしこの会社を続けてみよう!」ということに。数年後に大豆水煮缶詰のリニューアルというチャンスをもらったことがきっかけになり、大豆ドライパックが誕生したのです。

当時から一番厳しかった生協の品質基準を満たすため、かなり苦労しましたが、「品質管理も納期管理も徹底的にやれ」という号令のもと、生協とともに歩みを進めてきました。

トーアスという名前には東洋アスパラガスの頭の文字をとった他にも「to 明日」、つまり明日へ向かって進もう、という意味も込められているのだそうです。

参加者記念ショットこうして利用者とメーカーをつなぐ「大豆ドライパック」勉強会と工場見学は無事終了!
商品のことはもちろん、改善点や使い方をはじめとする意見交換、レシピの試食などとてももりだくさんで、お互いの交流の機会の大切さが気持ちに染みこんだ会でした。ドライパックには豆の風味と製品に注ぐ濃い愛情、作り手の責任がギューっと詰まっていることを知ることができました。

工場のみなさんとパチリ最後に!
ガイドしてくださった清王さんはじめ、トーアスのみなさん、本当によい機会をいただいてありがとうございました!

【詳細情報】

日本生活協同組合連合会

生協の組合員さんとトーアス株式会社さんとの交流会の様子はこちら(コープ商品サイト)
トーアス株式会社
電話番号: 0533-86-5155(代)
住所:愛知県豊川市大崎町宮の坪58番地
URL:http://www.toasu.co.jp/

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