日本一の米どころを支える、夢ある農業応援団! 井関新潟製造所

井関新潟製造所のさなえちゃんこちらのキャラクターの名前はさなえちゃん。さなえ、早苗、苗..そうです。農業機械で有名な井関農機の新潟三条市の事業所である「井関新潟製造所」にやってきました。こちらはヰセキグループの稲刈機械生産工場として1961年(昭和36年)に設立されました。

乗用型こちらは乗用型の田植機。井関農機新潟製造所では、田植機、籾摺機など稲作で使われるものの他にも、たまねぎ、レタス、ジャガイモの苗を植える野菜移植機など多彩な農業機械を作っています。

ギャラリーISEKIドリームギャラリー新潟は2015年4月にオープン。製品の展示はもちろん、デジタルライブラリで過去のCMや井関農機の歴史を見ることができたり、技術の秘密を勉強できたりと盛りだくさん。

覗くと見えるよ
乗ってみたバーチャルで擬似田植え体験ができます。3Dメガネを覗くと田んぼの中を動く田植機から見た風景を体験。農家な気分を味わえます。
ちなみに外車1台分くらいのお値段です。

手押しナウエルポット(苗用移植機)
台の上に苗を並べ、手元のポットに入れるとこのマシンが植えてくれる仕組み。屈まなくてもいいから楽チンです。

デジタルギャラリー過去のCMを見ることができます。懐かしの映像!銀幕の大スターも出ていたりします。

ロータリー植付装置ロータリー植付装置。
これが手となり田んぼに稲を植えていきます。

玉ねぎ植えの機構玉ねぎ移植機
ズラッと並ぶポットからたまねぎの苗が供給され、下の植え付けハンドが受け取り畑に植えていきます。

勉強会
司会創業の精神や「ものづくり」に対するこだわり、これまでに製品開発に関する取組みのお話を聞きます。
井関農機は「井関農具商会」として1926年(大正15年)に愛媛県松山市で創業。創業者の井関邦三郎(いせき くにさぶろう)さんは手作業や家畜で朝から晩まで働いていた当時日本の農業をなんとか変えたいという思いから、事業を開始。全自動籾摺機を皮切りに、1961年(昭和36年)には小型トラクターを製造。「ええもんを作り続ける職人のこころ」という邦三郎さんの思いは受け継がれ、田植機・コンバインなどさまざまな農業機器を開発。最近ではICTとの連携など先端営農技術分野にも積極的に取り組み、特許査定率が日本一の会社になりました。
また開発だけではなく、アフターケアや農業支援など農家との信頼関係を確実に積み重ね、日本を代表する農業機械メーカーです。

工場入り口それでは、いよいよ工場見学。

ガイドさん喋る
お揃いの帽子がうれしいな。

工場の中とても広い工場。この井関新潟製造所の工場の中では、田植機や籾摺機、野菜移植の組立ラインやミッション(車の足がつく部分)、植込み杆の製造を見ることができます。
乗用田植機の場合だと約250社に部品や資材を発注し、25,000点ものパーツが使われます。車の足部分と田植えする手の部分、それに稲の苗を供給する部分など乗用田植機には複雑な機構が組み合わせってできているのでそれだけ多くの部品が使われるということですね!

ミッションのライン

部品間違えないように部品数が多くて間違えると大変なので、こういった容器に取り付けるべき部品をセットし、それから作業にかかります。「自己マーシャリング装置」と言います。

フレームづくり籾摺機のフレームをつくっています。

ラインのイメージ完成したフレームは次の塗装ラインへ。
このように一つのパーツを完成、次の工程へ。と着実に流れていきます。

植込杆組み立て植込み杆の組み立ても見せてもらいました。一つ一つ手作業。

吊り下げられるエンジン出来上がったエンジンはこのように釣り上げられ、取り付けを待ちます。

植え付け部分のセットこちらは植え付け部分の組み立て。

植え付けパーツが待っているやはりハンガーに吊るされ、待ちます。

一つのライン
一つのラインこのようにそれぞれの機構がエリアごとに製造され、組み立てラインに集まってくるという流れになっています。パーツごとに全然違う作業なので当然一つひとつができあがる時間も変わってきます。その時間や取り付ける部品を調節しながら作られていくんですね。さらに製造する機種が変わってくると当然作業量や完成にかかる時間も変わってきます。少量多品種の工場の設計ってとても複雑で大変です。

教えてボタンだけど、HELP!ボタンがあるので安心。
複雑で大変な組み立てラインも心配ありません。作業中に「どういうことだったかな?」ということが発生した場合は、割り当てられた番号のボタンを押すと

教えてランプこのようにランプが光り、遠くにいる熟練者がお助け参上!となります。
単に完成させれば良いということではなく、農業機械では作業の効率や安全性を直撃するため、品質を担保する仕組みが準備されています。

教えてボタンを押す「助けてくれるから安心なんだよ」

主要部出来上がり主要なパーツが取り付けられ、田植機になってきました。

乗用型ボディ乗りたい。

籾摺機こちらは籾摺機が出荷を待っています。

以上で工場見学は終了。深くまで見せていただき有難うございました。

夢ある農業応援団夢ある農業応援団です。
日本の農家のこれまでの技術やノウハウを蓄積し、コスト・品質・効率化を実現するシステムで次の農業世代への継承を応援するICT(情報通信技術)を活用した新たな農業(スマート農業)や、新規就農者への栽培技術指導、耕作放棄地再生支援、その地域にある伝統作物栽培の機械化などあらゆる側面から農家を必死で支援しています。

37株おすすめ、37株疎植栽培
ヰセキグループでは条間30cm×株間30cmで移植する「37株植疎植栽培」をおすすめしています。
通常1つの田には60株の苗が植えられますが、この37株植疎植栽培は苗と苗の前後左右の感覚を広くとることで、一つあたりの苗に行き渡る栄養を増やして栽培します。では収穫量が減ってしまうのでは?という心配は無用。従来の60株植の場合にできてしまっていた生育が悪くロスになる不良の苗を減らすことにつながり、元気かつ適正量の収穫高を確保できます。
田植え前に用意する苗を約半分(10aの場合)に減らし、労力とコストを軽減することができます。

農業女子日よけ付きトラクターを開発しました。
農業女子も応援しています。
最近よく耳にするノウジョも応援。農業女子トラクターを開発しました。カワイイ見た目のほか、座高や座席とハンドルの距離を体の小さな女性でも楽に運転できるように最適になっていたり、
何よりもわかりやすいのは屋根付きなところ。農作業中の日焼けを防ぎお肌のお手入れの負荷を少しでも減らせるように、という心づかい。
この製品は開発時に女性に積極的にヒアリングし生まれた女性の声を反映したトラクター。

記念ショット井関新潟製造所のあるところは、あの魚沼産コシヒカリで有名な日本一の米どころ。また、新潟県はお米以外の農業も盛んな農業県です。井関新潟製造所は製品を開発・製造、農業にまつわる様々な取り組みにもチャレンジしながら日本の農家を支えていこう、という心意気がよくわかった見学でした。

井関新潟製造所のみなさん、今日は有難うございました。これから心して日本のお米をいただきます!

【詳細情報】

井関新潟製造所

電話番号:0256-38-5311
住所:新潟県三条市西大崎3丁目12−23
URL:http://in.iseki.co.jp/

(text:西村、photo:市岡 ※一部の写真は井関新潟製造所さん提供)

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