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豆の産地?製法?それとも…
コーヒーの持つ魅力に迫る焙煎・製品工場の見学!
関西アライドコーヒーロースターズ

見本

水とお茶に次ぐ、世界第3位の飲み物であるコーヒー。
僕も毎朝いただいていますが、豆を炒ってすりつぶして、原材料の欄にはコーヒー豆とあるだけ、お湯をかけてそこから出てきた液体を飲む、とコーヒーはすごいシンプルな飲み物です。

しかし、いくつも産地や豆の品種があり、銘柄やランクづけ、それにこだわりのブレンドや抽出方法があったり...また、「あそこの店は主人が変わってから美味しくなくなったぜ」とか「最後の一滴は入れないわ」などなど、コーヒーへのこだわりや一家言を持つ人が多いのも事実。世の中にはコーヒーの虜となるファンやマニアがなぜこんなにたくさんいるのでしょうか?
今日はそんな不思議な飲み物であるコーヒーについて、作り方を見せてもらいながら、その魅力に触れていきたいと思います。

記念写真

今日お邪魔しているのは、コーヒー豆を焙煎している関西アライドコーヒーロースターズ株式会社の神戸工場。
いつもお世話になっている、全国の生協の組合員の代表が集まる「ラブコープ商品 工場・産地交流会」にしゃかいか!も参加させてもらっています。いつもみなさん元気いっぱいです!

石光商事さんレクチャー

では早速!工場見学の前にコーヒーについてのレクチャーから。
講師は、株式会社石光商事のコーヒー加工品カテゴリー マネージャーの石崎さんです。
石光商事では輸入したコーヒーの生豆を、関西アライドコーヒーロースターズに焙煎を委託し、製品にして販売しています。

コーヒー農園

原料となるコーヒー豆はブラジルや、エチオピアやグァテマラといった生産国で収穫され、日本に輸入されます。輸入前には、現地と輸入元である石光商事に豆が送られて、実際に飲んでみて味や品質を確かめます。このカッピングという検査に合格したものだけが麻袋に入ってコンテナで輸入されてきます。

コーヒーの果実

コーヒーの木が育つのは「コーヒーベルト」という熱帯地方もしくは亜熱帯地方で、ほぼ全てのコーヒー生産国が赤道南北緯25度以内に集まり、帯のように集まっていることからこのように呼ばれます。コーヒーの木は、約18〜22度の温度帯で生育します。熱帯なのに涼しいんじゃないの?と思った方はスルドイ。実はコーヒーの木が生育するのは山の上などの標高が高い場所です。理想的な雨量は年間1,200〜2,000mmほど。雨季が来てこのコーヒーベルトに雨を降らせるとその後咲くのは白い可憐な花。そして赤い実(さくらんぼに似ているので「コーヒーチェリー」と言います)が結実し、やがて完熟し真っ赤になった果実の中にある種、そしてコーヒー豆はさらにこの種の中にあるパーチメントと呼ばれる殻の中に、2つ対になった半球状の豆が仲良く入っています。これがコーヒー豆の正体です。

コーヒーの生豆

これが焙煎前のコーヒーの生豆。形はコーヒー豆ですが、まだ緑色をしています。

しゃべる石崎さん

次はコーヒーの品種の話です。コーヒーには植物学的分類上、エチオピア原産のアラビカ種と、主に中央アフリカで育つカネフォラ種(ロブスタと品種名で呼ばれることがあります)、そしてほとんど流通しないリベリカ種、とこれら3つがコーヒーの3原種と呼ばれています。

世界の一年間の流通量は、1袋60kgの麻袋で約1億6000万袋くらい。そのうちアラビカ種は60〜65%ほど、リベリカ種は0.1%以下で、残りをカネフォラ種が占めます。アラビカ種は病気に弱く一般に好まれる品質、一方のカネフォラは中央アフリカで育てられることが多く病害虫に強いなど、それぞれ違いがありますが、最も異なるのはその風味です。

工場の試飲

ということで試飲で確かめてみましょう!
今日はコーヒー豆の「ブレンドの妙」を感じていただきたい、と石崎さん。
「アラビカの味は一般的にコーヒーと感じられるものです、一方のカネフォラ種は一般的ではない異質なのか?というとその通りで味はコーヒーというよりも麦茶に近い味わいです。では麦茶なコーヒーがなぜ3割〜4割も飲まれているのか、というとその理由は価格。アラビカの代表的な品種であるコロンビア豆とカネフォラの代表的な品種であるロブスタの価格を比べると、2対1、つまりロブスタはコロンビアに比べて約半額なんです。
毎日飲むものだから価格はお手頃がいい、じゃあということでロブスタを、という風に使われることが多く、上手にブレンドで使ってあげることで価格を抑えることができるんです。」

レクチャーをきく

ロブスタの良いところをもう1つ。それはアラビカ種の豆と同じ量を抽出して比較すると、濃い味わいになりやすい、という点です。ですから価格の面でも味づくりの面でも縁の下の力持ち的に支えているのは、実はこのカネフォラ種系のロブスタ種という豆だったりするんです。

豆の品種の違いによる味の違いを体験した後は、コーヒーの精選方法について。
上に書いた通り、コーヒー豆はコーヒーの木の果実の中に入っている種子のさらにパーチメントと呼ばれる殻の中に入っています。この殻からコーヒー豆を取り出す工程を「精選」といいます。精選方法は主に2つ、非水洗式と水洗式があります。

精選方法の違いを体験

この2つの精選方法で取り出された豆で抽出されたコーヒーを飲み比べます。
非水洗式が向こうの見えないすりガラスのようなまろやかさであるのに比べ、水洗式は透明感のあるシャープなはっきりとした味です。豆の取り出し方で味が変わる理由の説明がありました。

色を見てみる

2つの精選方法の違いは、名前の通り水を使うか使わないか。
ブラジルで行われることの多い非水洗方式の精選は、収穫されたコーヒーチェリー(果実)を乾燥させレーズンのような状態で水分を飛ばした上で脱穀します。もう一方の水洗方式は、水を使ってコーヒー豆以外の不要物を段階的に除去していきます。

味の違いの理由

なぜ豆の取り出し方によって味に違いが出てくるのか?
非水洗式と水洗式という2つの方法をくわしく見ていくとわかります。非水洗式は大規模な農園の多いブラジルで採用されています。農園が大規模で広大になると、収穫時に使うのは機械。枝から果実をしごき落とすように機械で収穫していくのですが、この時完熟した赤い実だけではなく、完熟前の青いままの果実も収穫します。そして乾燥が進むと、完熟した赤い果実も完熟がまだの青い果実も一緒に黒く変色し見分けがつかなくなります。こうして飲用に適した赤い完熟果実と未完熟の豆が混ざりあったコーヒー豆たちを工場で一緒に焙煎工場すると、柔らかくまろやかな「すりガラスを通したような見通しにくい」味になります。
そして、もう一方の段階的に水を使って不要なものを精選する「水洗式」では、収穫の際にハンドピッキングで赤い完熟果実のみを選別で残し、緑の未完熟果実は取り去ります。赤く完熟したコーヒーチェリーの果肉をとって、次に種子の周りの粘膜のようなヌメリをとって、殻をとって種子を取り出します。めんどくさいし時間がかかります。しかし、こうして飲用に適した状態の赤い完熟果実だけを精選された水洗式精選の方が雑味がなく味がシャープでクリアになる、ということなんです。この面倒な手間に比例して、水洗式精選されたコーヒーは価格も高くなります。

飲み比べ

最後は焙煎度を飲み比べ。
「浅煎り」「中煎り」と「深煎り」の3種類のコーヒーが用意されました。
焙煎された豆は、浅煎りから深煎りまで焙煎度による違いでいくつかのレベルに分けられますが、その判定基準は色です。浅煎り、深煎りの他にも、ライトロースト、ミディアム、イタリアンローストと呼ぶこともありますが、その判定は人が見た目で判断すると主観的な判定。この主観を排除するために、光照射しその反射率を数値化(L値)する方法もあります。

温度プロファイル

さらにもっと微妙な風味の差に影響するのはそこに至る温度変化のプロセスです。プロの間では「温度プロファイル」と呼ばれています。同じ仕上がりの豆の色でもじっくり弱火で焼き上げたものか、いきなり強火で熱してその色になったか。焼きあがった豆の色という終着駅だけ見ててもわからない、どのように焼いたかがコーヒーでは極めて重要で、同じ味にするために同じプロファイルで焼く、というのが焙煎のプロの仕事になります。

焙煎の違いを体験

では同じ品種の焙煎豆の、浅煎り、中煎り、深煎りの3つの焙煎度違いの味を飲み比べしてみます。焙煎豆の色が濃いとそれに伴って味が苦くなるのはなんとなくイメージできますが「浅煎りのは深煎りに比べて甘い香りを感じることができた」などの感想の声がありました。ちなみに僕はがっつり深煎りが好きです。

ブレンドの実験

では最後に、ブレンドの実験です。
空のカップに浅煎りと、深煎りのコーヒーをブレンドしてみる。これで中煎りになるはず…なんだけどなんとなく違う。ブレンドした方が、元々の中煎りに比べて、浅煎りの特徴である香りと深煎りのコクが両方生きてる…ような気がしました。この異なる状態の豆を焙煎後にブレンドするのがアフターミックスという製法(今回は焙煎度の異なる2種類ですが、何種類もブレンドする場合もあります)です。通常は焙煎度を高くすると甘い香りの代わりにコクが出るのですが、コクも香りも両立したい、それぞれの特徴を生かしたい場合には、焙煎後の豆をミックスすることで、風味をコントロールすることができます。

飲み比べ体験イメージ

そして、上に書いたように、コーヒー豆の種類はもちろん、精選の違いや焙煎度などによって、香りや甘味や酸味といった風味や苦さ、コク、さらにはコストパフォーマンスを決めていくのが、焙煎工場の腕が試される、まさしく「ブレンドの妙」なわけです。

いよいよ見学へ

うぉー、コーヒーって奥が深い、早く誰かに喋りたい、もっと勉強して飲み比べてコーヒーの味のわかる真の大人になりたい、という思いが最高潮に達したところで、製造現場にお邪魔することに。

でも、あれ?さぞコーヒーの香りがするのかな、と予想していましたが、思ったほどしてこない、というかほとんどしない。少しがっかりですが、これはきちんと香りを工場の外に出さないように、というご近所さんへの気配りなんです。

ガイドさん

ガイドは関西アライドコーヒーロースターズの工場長さんです。よろしくお願いします!

生豆の麻袋

これが原料となる生豆です。

カエルのマーク

麻の袋にプリントされていカエルのマーク、カエル農園だ、かわいいやんと思いましたが、これはれっきとした認証マーク。環境保護、労働者や家族の生活向上など持続可能な農業のための包括的な基準を満たした農園に与えられるレインフォレスト・アライアンス認証というマークです。マークがカエルなのは環境変化にとても敏感で、環境変化の一つの指標となる生物がカエルだからです。

ここではブラジルやコロンビア、エチオピア 、ベトナム…といった世界中のコーヒー豆が焙煎されています。男性が「この豆でコーヒーにハマりました」というケースがとても多い苦味しっかりなインドネシアの「マンデリン」、ラベンダーやレモングラスなど爽やかな香りと酸味が特長のエチオピアのコーヒー豆優良産地「イルガチャフィー地区のモカ」、柑橘系とベリーをミックスしたような香りが特長のタンザニアコーヒー豆の指定農家「カンジラルジ農園のキリマンジャロ」など、「CO・OPスペシャルティコーヒーアソート」で使用しているトップグレードの希少な豆もここで焙煎されています。

麻袋のより

たくさんの種類の豆が保管されていますが、この麻袋のままで置かれているのはせいぜい1日程度。豆は生豆サイロという円筒状の倉庫で保管されます。

ここに到着するのは、生産農園と石光商事でカッピング(収穫したロットごとに味わいを見て問題ないかチェックすること)に合格したものだけです。

自動開袋機

これは自動開袋機という機械。

開袋機

生豆サイロに保管する前に通る自動開袋機で袋を破いて、排出。

いろんなコーヒー豆

この機械は麻袋を破って、生豆をサイロと呼ばれる保管庫へ運ぶだけではなく、中にある12mmと5mmの丸い2種類の穴の開いたメッシュで、生豆とそうでないものを選別。残った生豆だけが次の経路に進みます。

見上げる

さらに、微細な石や砂、枝、袋の糸くずなどのきょう雑物を除去します。そのために使われるのがエアーで異物を取り除く風力選別機。

選別工程

次に入るのが比重選別機。振動をかけると重いものを軽いものに分かれ、軽いものを異物として判断して取り除きます。そしてもう一度同じ比重選別機に入ります。今度は振動させて重いもの、例えば石などを取り除き、豆だけが次に進みます。

さらにカラーソーターという機械を通る、色を判断してコーヒーの生豆ではないものを取り除き、やっと生豆サイロに入れてもらうことができます。

サイロを見上げる

この工場にはサイロは全部で80サイロあり、80種類の生豆を保管することができます。
いろんな種類の生豆が混ざってしまってはいけないので、1つのサイロに入る生豆はもちろん1種類。

サイロのアップ 焙煎の説明

続いて焙煎機へ。
この工場には4つの焙煎機があり、豆の数や種類、焼き方などによって使い分けられます。熱源はバーナーで一度に200kgの豆を焙煎できます。火をどんどん炊いて500度近い熱にまで上げた熱風を、焙煎機の中にある釜に送り込むため空気と織り交ぜながら約300度まで下げて釜を温めながら焙煎していきます。中に羽があってグルグル豆をかき混ぜながら焙煎します。この熱風の温度は3段階に変えることができ、豆の種類や用途によっては20分ほどかけて、じっくり焼き上げることもあります。こうして温度や時間を調整しながら目的の状態に焼き上げていきます。

焼いている最中 焼き上がり確認

焼き加減を担当者が確認。
温度や焙煎時間など計器類でも管理していますが、最終的に決めるのは人の目。見本の豆と見比べながら焙煎度をチェックします。焙煎の担当者は10年以上の経験が必要なのだとか。

焼き上がり

だいぶ茶色くなってきてよく知っているコーヒー豆の状態に近づいてきました。

湯気

今焼き上がりました!という声。
白い湯気が出ているのは、釜の中で一気に水をかけているからです。焼き上がった時の釜の中は200度以上になっているので放っておくとどんどん加熱が進行してしまいます。ですから水をかけて急速冷却する、というわけです。

踊るコーヒー豆

窓から覗くと豆が踊ってる!
踊っているように見えるのは、上から空気を吸引して急冷しているから。

豆が水でベチャベチャになるんじゃないの?という心配はご無用。ほとんど水蒸気になって水分は飛んでしまいます。
その後冷やすために豆は隣の部屋へ移動します。

そして、焼きあがった豆は、取り出されてビニール袋に入れられ、

エアシューター

この袋をエアシューターに投入し届く先は品質管理室。この焙煎機は工場の中でも品質管理室と離れたところにがあるので、エアシューターで焼かれたばかりの豆が品質管理の部屋まで送り込まれます。送り込まれた品質管理の担当者は、先ほど焼いたものが、あらかじめ決められた基準の範囲で焼かれているかを確認します。
そうこうしている間にもこの釜には、次のまめが投入。一度に焼ける豆が200kgのこの釜では、同じ商品の1トンの焙煎豆が必要な場合は5回続けて焼くことになります。先ほど見てもらったエアシューターで 1回目200kgの焙煎豆をエアシューターで品質管理室へ。その結果がすぐに品質管理から届けられ、例えば「このままの温度でいいよ」とか「もう少し上げなさい」もしくは「下げなさい」とい行った指示がリアルタイムで行われます。そのようなやりとりをしながら常に基準に合う状態になるよう心がけています。

次の場所へ移動します!

液体窒素

工場の敷地内にある液化窒素のタンク。これは包装する機械で使うものです。包装の際に豆と一緒に気化した窒素を充てん、酸化しないよう保存状態を良好に保ちます。

小型の焙煎機

見せてもらったのは、先ほどのとは別の焙煎機。やや小ぶりですが、一度に焙煎できる量は約60kg。こちらは洗濯機のようにドラムが回って焙煎します。違うのは量や形式だけではなく、ガスで焼くこともできるし、炭焼きの直火も、さらに遠赤外線で焼くこともできます。つまり3つの焼き方ができるのがこの機械の特徴なのです。

コーヒーの焙煎の炎 コーヒー豆の排出

焼きあがった豆は回転させながら排出されます。

コーヒー豆に夢中 排出_より 熟練オペレーター

焙煎には熟練のオペレーターが欠かせません。特に炭焼き焙煎を行う時にはもちろん完成の焙煎温度とか時間を機械でも管理していますが、炭焼きの場合は炭の入れ方置き方一つで温度や火力が変わってきますので、オペレーターがその目で見極めながら、熟練した技術で作業を行なわなければなりません。火に近いので夏場は非常に暑くなるので大変なんだとか。

粉砕機

後ろを振り向くとそこにあるのは粉砕機。工業用やレギュラーコーヒー用というように用途によって使い分けます。工業用というのは例えば、コーヒーフレーバーの何かの食べ物や缶コーヒーの原料になるコーヒーのことです。

粉砕機見学

工業用の粉砕機では、豆が上から落ちてきて、下で回転しているギザギザの目が施されたロールで押し砕くようなイメージで砕いていきます。

粉砕機の上のダイヤル粉砕機の上にあるダイヤルで粒の粗さを調節。ダイヤルを開閉することで、ロールのギザギザの目の大きさが変わり、豆の粒度も変わるという仕組みです。焙煎豆には、栗の薄皮のような「チャフ」と呼ばれる焼けカスがついています。豆を粉砕する際にはそのチャフが舞い上がるので、この不要物であるチャフを吸引して除去します。

粉砕機揺れる

一方コーヒーバッグ用の粉砕機では2つのロールが斜めに重なりながら回っています。すりつぶす動きをイメージしてください。工業用とコーヒーバッグ用でどうして粉砕機を使い分ける必要があるのか、それは粉砕後の粒の形が違ってくるからです。
工業用の方で粉砕されたコーヒー豆の粒は形が尖ってしまうので、フィルターの不織布の袋を突き破ってしまいます。ですから、こちらの粉砕機では、コーヒー豆の粒をすりつぶして角が立たないような形状にしています。

充てん室へ移動

粉砕されたコーヒー豆はいよいよ包装工程へ。

包装区域のゾーン 充てん機 モカブレンドのバルブ

今作っているのはちょうどCO・OP商品のモカブレンドレギュラーコーヒー。パッケージの下に小さな穴がありバルブと言います。実はコーヒー豆焙煎し粉砕後も息をしているのではなく、ガスを出しつづけています。この小さな穴はこのガスを逃がすため。バルブがないと、どんどん膨らんで、最悪の場合破裂してしまうことも。さらに袋の外気に触れると酸化が進みコーヒーの豆に良くない影響を及ぼすので、バルブは中からの空気は押し出すが、外からの空気は通さないという機構になっています。小さいけどかしこい穴、今度手にしたら見つけてみてくださいね。

「あらかじめ袋の中の空間を埋めるために充てんされていた窒素は、豆から発生するガスにやがて置きかわります。そしていっぱいになったガスは袋の外へ出て行くことになります。実はその時に一緒に出て行くのがコーヒーの香り。賞味期限は一年と書いていますが、コーヒーは生ものなので、できる限り早く飲んでいただきたいな、というのがメーカーの希望です」

窒素ガスの説明

続いてはコーヒーバッグの充てん機へ。

包装ライン

先ほどの大袋とは違い、不織布のコーヒーバッグに豆を充てんしながら、かつフィルムの個袋でも包装、という作業をいっぺんにやってしまうので、ちょっと複雑な機構になっています。

個別包装

1分間に個包装50個分が出来上がります。そして「CO・OP マイボトルで美味しい コーヒーバッグ」の場合は一つの箱が18P入りなので、18の個袋を箱に詰めます。

個別包装コンベア

この時のコンベアに注目。漫然と個袋を送り出しているのではなく、9個ずつまとまったら作業している人の手元へグイーっと運ぶ。これだとこの9袋のグループを2回、箱に詰めれば出来上がりなので数を間違えない。親切なコンベアです。

ピッキング作業 検査機械

その後、賞味期限やロットの印字、そしてその印字が正しく印刷されているかの確認、重量検査や異物チェックのためのX線検査機を経てお店に並んだり、宅配されるということになります。

品質管理室

最後に訪れたのは品質管理の部屋。
ここでどんなことがチェックされているかというと…。

焙煎度のチェック 焙煎度のチェックその1

焙煎度のチェック!
先ほど焙煎機の部屋からシューターで送ってきたサンプルのチェック。焼き具合を測定します。しかし人の目だけで見るのではありません。

焙煎度のチェックその2

焙煎され送られてきた豆を一度ペースト状にして円筒型のケースに詰めます。そして、光を照射し白黒の反射率を測定。数値化し焙煎度を測ります。そしてその結果や修正すべきだったらその内容も加えて焙煎機の担当者に知らせます。

カッピング

そしてカッピング。

カッピング

実際に焙煎されたコーヒーの味をチェックします。ワインのテイスティングみたいな感じでコーヒーの味や風味を評価します。チェックするのは美味しいおいしくないじゃなく、異味異臭がないか、そしていつもの味になってるか。コーヒー版官能テストってやつですね。社内で認定された有資格者が2名以上で行わなければなりません。

粒度チェック

粒の大きさのチェック。
この大きな機械は粒度測定、つまり粒の粗さや挽き具合を計測する機械です。このマシンがまだない頃には、目開きの違うふるいを使って粉を入れ、振動をかけてそのふるいに滞留するグラム数を測って数値化、基準に合致するかを計測していました。しかしこのやり方だと、15分ほどかかってしまうため、速やかに現場に結果を連絡しにくい、ということで今はこのレーザー解析、光を当てて大きさを測る機械を使っています。なんと数十秒で計測することができるすごい機械!

シーリングテスト

コーヒーバッグのチェック!
先ほど包装機で見たコーヒーバッグ、そのシーリング検査を行っています。
一定時間ごとに包装ラインから抜き取り検査を行い、正しい印字か、正しいグラム数が充てんされているか、熱圧着に問題がないかなどが検査されます。そしてここでは減圧機で袋の密封性も確認。この減圧機の検査でもし異常が見つかった場合にはその個体を水につけて泡を出る箇所を見つけ敗れた箇所を発見し、問題のある同じ製造ロットの製品が出荷されないようになる、といった流れになります。
さらに先ほど大袋のコーヒーで見たバルブも確認。穴が空いていないかではなく、今度はきちんと正しい穴が空いているか、の確認も行われます。

コーヒーバッグ強度テスト

不織布のコーヒーバッグの袋は超音波で袋状に溶着しているので、きちんと強度を保っているかが確認されます。さあ、飲もう楽しみだわ、とカップにかけようとして開封した、そうしたらばっと空いてしまった、粉が溢れちゃった、ということになると命には別状ありませんが、コーヒーブレイクでホッとしよう思っていた人、はたまたおもてなししようとしてご機嫌でお茶を淹れていた人にとっての精神的ダメージは計り知れません。豊かな時間が台無しになってしまうので、ここでコーヒーバッグの強度もきちんとチェック!

出来上がり

こうして、豆の受け入れから、焙煎、粉砕、包装、といろんな検査を経て、コーヒー豆が完成しました。

コーヒー製造イメージ

なぜこだわりや一家言を持つコーヒーファンが世の中にたくさんいるのか?
それは、香りや酸味に苦みなどのいろんな味と一緒に、コーヒーの持つ物語を一緒に味わっているからではないかな、と思います。
僕もこれから奥深いコーヒーの世界に少しだけお邪魔しようと思います。

【詳細情報】

生協の組合員さんと石光商事との勉強会の様子はこちら(コープ商品サイト)

石光商事株式会社

住所:神戸市灘区岩屋南町4-40
電話番号:078-861-7791
URL:http://www.ishimitsu.co.jp/

関西アライドコーヒーロースターズ株式会社

住所:兵庫県神戸市東灘区深江浜町12-3
電話番号:078-452-5741
URL:https://kacr.co.jp/

(text:西村 photo:佐藤 ※一部の写真は石光商事さん提供)

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