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24時間ぶっ通しで収穫!旬のおいしさをギュッと詰め込んだ北海道の枝豆づくりは大変だ!! 中札内村農協

広大な大地のイメージ

しゃかいか!ついに北の大地、北海道に上陸です。
やってきたのは北海道の中札内村(なかさつないむら)、ここに枝豆を使った6次産業で村を元気にしている農協がとてもおいしい枝豆を作っている、と聞いて、日本生協連の皆さんの見学についてきました。いつも有難うございます!

畑と山本さん

この方が中札内村農協の組合長であり、ご自身も畑作の生産者の山本さんです。今日はよろしくお願いします。

中札内村は、日本でも有数の農業地帯十勝地方にあります。帯広空港から車で約40分ほど、村の中央を清流日本一に何度も輝いている「札内川」と呼ばれる川が流れ、白樺の木やどこまでも広がる畑、これぞ北海道という雄大な景色が広がっています。
中札内村の産業の中心もやはり農業。枝豆の他にも、インゲンやビート(砂糖だいこん)、馬鈴薯、小麦などの農作物、酪農に養豚・養鶏と1次産業が盛んなところ。他にも北海道銘菓として有名なマルセイバターサンドを製造する六花亭の美術関連の施設や、全国の道の駅ランキングで上位にランクインする道の駅があり、「日本の美しい村」連合にも認定されている、観光の村としても知られています。

圃場の見学

やってきたのは枝豆の圃場、つまり畑です!
枝豆の畑といってもその面積は広大で、中札内村の基幹作物というだけあって、中札内村農協が参加している126戸もの生産者がそれぞれ何ヘクタールという単位で枝豆を栽培しています。北海道の枝豆の収穫期は8〜9月で、ただいま収穫真っ只中。

美味しそうな枝豆

中札内村の枝豆は品質を保つために、播種(タネを植える)してから開花、収穫に至るまで、厳しいルールがあります。残留農薬は基準以下に抑えるために、栽培指導を行ったり、栽培履歴をとっています。また、額縁栽培は隣の畑からの農薬飛散を防ぐため、幅2m40cm、高さ1m50cm以上の「えん麦」という作物で枝豆の圃場の周りを囲います。また、使用する肥料などは農協で枝豆栽培に適したもののみ使用が許可され農協全体で枝豆の安全性や品質、おいしさを向上しようという取り組みが行われています。

ハーベスター遠景

ハーベスターというものすごく大きな機械が、土煙をあげながらどんどん枝豆を枝ごとむしゃむしゃ食べていくように収穫。収穫の風景はのどかというより、大迫力です。

ハーベスターむしゃむしゃ

このハーベスターはフランス製の機械でもともと、グリーンピースの収穫用として使用(フランスには枝豆はありません!)していましたが、1台輸入して使ってみたところ、とてもきれいに収穫できるということで、徐々に台数を増やしていきました。1台ン千万円なり!

大迫力ハーベスター

この大迫力の機械に代表されるように北海道の農業は規模がとても大きく、機械化が進んでいることが特徴です。本州では圃場の面積が小さいので収量も少なく、稼働するのは収穫期の2ヵ月だけなので、このハーベスターは使っても採算が合わないのだとか。このように規模が大きい農業を行うことで村の経済が成り立ち、農業の担い手問題も他のエリアに比べ、非常に順調。後継者不足といった心配もほとんどありません。

喋る組合長

中札内村の人口は4,000人ほどの小さな村ですが、全国的に進んでいる人口減少の問題もなく他の地域からは羨ましがられるほど。中札内村に枝豆工場を建て職員は必ず村に居住することといった雇用対策を村と農協が一緒になって取り組みを進めているそうです。

凄いわー

「このあたりは1月になると一面雪景色になり、生産者は1ヵ月ほど全く仕事をすることができなくなります」と組合長の山本さん。
その間、農業に携わる生産者の皆さんは、遊んだりゆっくり体を休めているのだそうですが、他の期間は、自然相手に休みなく働いているので、全体のバランスは取れてるみたいです。
特に酪農家の皆さんは生き物相手なので、一年中休みたくても休めないのが目下の課題。村では酪農従事者がお休みを取ることができるように、その期間だけお手伝いする「酪農ヘルパー」という制度を設け、絶賛募集中なのだとか!北海道でゆっくりのんびり働きたいなー、という方にはぴったりですよ、と伺ったのでお伝えしときます。

しかし、忙しい収穫期には24時間ぶっ通しで収穫します。
いいなぁ、ゆっくり農業かー、と広大な景色を見ながら夢に浸りそうになりましたが、枝豆収穫期の繁忙期真っ只中には、なんとこのハーベスター24時間3交代体制でぶっ続けで枝豆を取り続けているそうです!

鮮度が命的なイメージ

その理由は枝豆は鮮度が命だから!
中札内村農協では、収穫してから3時間以内に冷凍枝豆にするというルールが設けられています。それは収穫し時間が経ち鮮度が落ちると同時に、枝豆の味も落ちてしまうから。農協に所属する生産者のたくさんの枝豆を一度に収穫しても、加工が間に合わない、しかし、鮮度も大切ということで、計画的に収穫し、工場で素早く確実に加工するための仕組みが導入されています。その一つが収穫から3時間以内に加工をしてしまうというルール。

そして、もう一つは徹底的な生産管理。
農産品の生産管理は自然相手なので、簡単ではありません。播種から収穫適期を見越して、農協に所属する生産者が一斉にタネを植え始めると加工が追いつきません。これを防止するため、農協全体であなたは5月1日、また別の人は5月中旬、はたまた別の人は6月に入ってから播種するというように、決められています。このため、収穫する時期によって穫れ高が異なり不公平になってしまうため、次の年には別の人がいつ頃植える、というように公平性を保つ厳格な仕組みのもと、枝豆の生産が行われています。また、農作物には連作障害といって続けて同じ作物を同じ場所に植えると生産量が減ったり、品質が下がるといった課題もあるので、枝豆を植えた後には芋を植える、芋の次はビートというように年をまたいだ生産管理が農協全体で行われています。

積み替え 積み替え(近景)

収穫された枝豆は、ダンプカーへ積み替え。

ダンプカー

ということで、圃場から急いで枝豆の加工工場へ移動!
枝豆を運ぶのはダンプカー。生産者が運転して工場へと運びます。
この鮮度やおいしさを保つため、少しでも移動時間を短縮できるように農道も整備してきました。

受け入れ 大量の枝豆原料

工場に到着した枝豆がドバーッと!
この工場では、なんと1時間に7〜8トンの枝豆を処理することができるそうです。
この枝豆でどれほどビールが進むことでしょう!!

中島さん

ここからは工場の方にガイドしていただきます

屋外の設備

屋外のスペースで行われるのは傷みや規格外の枝豆の選別、洗浄、野毛取り(枝豆表面の産毛の除去)など加工前の下処理です。稼働するのは収穫期の2ヵ月ほどですが、こんなにすごい設備で作業が行われます。

ざっと洗う きょう雑物除去

風で軽いもの、重いものを振り分ける機械です。
葉っぱや未熟のサヤを取り除く作業をします。
ここで取り除かれた規格外の枝豆や葉っぱは全部堆肥になって再利用されます。

野毛取り

とても大きなドラム型洗濯機のようなマシンで枝豆表面の産毛取り。取られた産毛が宙に舞って鼻がムズムズしてきます。ちなみにこの野毛、病害虫の防除や乾燥を抑制するために枝豆にとっては大切なものですが、商品についていると虫と同じように異物と見られてしまうので、工場では丁寧に取り除くのだとか。

バブリング次に洗浄。

バブリングアップ.

「バブリング」といって泡状の水をシャワーしながら洗っていきます。実が薄いサヤもこの段階で取り除かれます。気持ち良さそうな枝豆たち。

見学風景 加工エリア

加工エリアへ入るには、僕たちも衛生服に着替え、手洗い、ホコリを吹き飛ばすエアールームを通って入場といった規定の手順が必要となります。

着替え エアー室. さらに洗浄

屋内に入っても、さらに洗浄されます。
この工程から冷凍枝豆になるには、30分以内に作業を完了することが求められます。冷凍枝豆になるためには大変だ。

色彩選別機

次に行われるのは色彩選別という工程で、センサーで色を見分け、色の良くないものがエアーで吹き飛ばされます。

ヒューッと!
この色彩選別機でハジかれた不要物である皮は家畜の餌になります。捨てるところがない枝豆、エライ。

コンベア ブランチング

続いてはブランチングという工程。上からは熱湯シャワー、下からはスチームが吹き付けられます。お家で枝豆を作る際には「茹でる」と言いますが、蒸すといったほうが近い加熱方法。上下から熱い蒸気をあてられることでムラなく加熱されます。
「お湯の中に入れるとどうしてもおいしさが逃げてしまうのですが、このブランチングという加熱を行うことで、甘みや旨味といった枝豆本来の持つおいしさを封じ込めることができるようになりました」と中島さん。

中島さん

枝豆をお家でおいしく食べる豆知識!
枝豆職人がプロの技を披露します。
「ここで生産される枝豆の色がいいとよく言われますが、決して色をつけているわけではありません。短時間で茹で上げ、すぐに冷やして味付けするから色がよくなります。この工場で行われている方法ですが、お家でも同じように応用すればおいしく枝豆をいただくことができます。
お家で生の枝豆を買ってきて茹でた時に色が悪いな、って感じる時があると思います。
あれはどうしても一つの鍋の中に枝豆をいっぱい入れてしまってお湯の温度か下がってしまい、茹でる時間が長くなってしまうからなんですよ。だから少ない量でお湯の温度を下げずにさっと茹でて、すぐに冷水で冷まして水を切って塩をまぶせば、おいしく色のいい枝豆をいただくことができます。
もし、どうしてもできない、、、、という時にはうちの枝豆を買ってくださいね」
と中島さん。あー、そこかー、とても役に立ったような宣伝されたような気分。
でも、ぜひ家でも一度試してみたいと思います!

冷却

ブランチングを終えた枝豆は冷却を経て、

味付け

塩味がつけられます。

味付け中

味付けは14%の濃度の塩水に約3分30秒。
この14%という数字は、何度も試行錯誤された結果生まれたおいしい濃度。20%がしょっぱすぎないか、12%じゃ物足りない、と全国でモニターを行い導き出された数値です。

塩水タンク

工場で塩を使うことはご法度でした!
遡ること数十年前、昔の加工品の枝豆はご家庭でもう一度ゆでて味付けをしなければならなかったことを覚えていますか?特に40代以上の皆さん!実は昔の冷凍枝豆ができたのは加熱までで、今となっては珍しくありませんが、レンジでチンしてそのまま食べることができるようになったのは、工場で塩の味付けを行う技術が導入されてからなんです。
金属の設備で水を多く使う工場で、さらに塩を使うことは海辺の車がさび付くように、工場設備を考える際にはタブーでした。工場で塩水を使うなんて信じられない、というのが当時の常識。
ですから、昔の枝豆は塩味が付いてなかったんですね。しかし、枝豆を加熱して塩味をつけるロングブランチングという画期的な方法を採用したおかげで、レンジでチンそのまま開封して美味しくいただける冷凍枝豆が生み出されたのです。ありがとう、ロングブランチング!
ちなみにコープの枝豆が「そのまま枝豆」という名前になったのも、こういった理由があります。

急速冷凍

次に行われるのは、急速冷凍。
この機械の中でマイナス196度の霧状の液体窒素が噴霧され、凍らせます。バナナが一瞬で凍って釘を打てるようになる、あんなイメージです。凍結する時間は約7分です。

冷気 凍結枝豆 バルク 箱詰め

急速冷凍された枝豆は、いったん箱詰めされ、冷凍庫へ。

バルクの印字

箱には生産年月日と生産者の管理ナンバーが印字され、最終商品になった後もトレースすることができ、商品の賞味期限を見れば、誰が生産者か?というのが瞬時にわかる仕組みになっています。

保管庫 寒いポーズ

寒いので出ます。

洗浄からブランチング、味付け、急速冷凍、冷凍保管までを収穫から3時間以内で行うということは、数時間前にはこの枝豆たちはまだ畑で太陽を浴びていた、ということ。まさしくおいしさが瞬時に封じ込められた、という表現がぴったりなスピード感でした。

選別原料投入

保管されていた枝豆は出荷時には、冷凍庫から取り出されます。

コンベア.

霜が除去されます。

色彩選別機

ふたたびの色彩選別機。色と形を見て悪いものがエアーで落とされますが、不合格とされた枝豆は、ムキ枝豆となる場合もあるので、大切にベルトコンベアーで運ばれます。

注意

不良品ははじく、でも無駄にはしない!

コンベア 目視選別

あれ、たくさん人がいる。

目視選別手元

女性の職員の皆さんが行なっているのは、目視選別。
4レーンに6名ずつが付いて目で見て選別しています。
最終製品になる前にはやはり人のチェックが入ります。
選別している作業は朝6時から13時半、13時半から21時の2交代で行なっているそうです。

目視選別不良

すごいスピードで、はじいていく。はっきりいって何がダメなのか僕にはわかりませんが、壁に掲示されている選別基準によると、
・きょう雑物(サヤのみサヤの筋や皮のみ)、
・規格外(未熟や小さいもの、大きすぎるもの、形のおかしいもの)、
・サヤから飛び出した豆、
・飛びサヤと呼ばれる長いサヤに対して豆が一つしか入っていないもの、
・サビと呼ばれる黒い斑点がサヤについたものなどなど、
を点検しているのだそうです。

この一瞬で!
僕にはとてもできなさそうです。

大変な作業

お疲れ様です、という声をかけるのもはばかられる真剣な作業です。

袋詰め機

袋詰めされた後は、

様々な検査機

その後、異物検査、金属探知、ウエイトチェックといった検査が行われます。

最終検品

女性が一つ一つ手にとって確認しているのは、賞味期限が正しく印字されているか、袋に穴が空いていないか、というチェック作業。確認して合格したものから箱に詰められていきます。さらに箱の重さもチェックされ出荷。ビールのお供やお料理の彩り、お弁当の具などになっていくというわけです。

枝豆アップ

うーん、お家に届く冷凍枝豆は数時間以内に素早く加工され、幾つもの選別をくぐり抜けたエリートな枝豆たち、ということがわかりました。

かっこいい組合長

組合長に再び、お話を聞きます。
実は、中札内村農協の基幹作物となるのは、10年以上の歳月が必要でした。
山本さんが組合長になった当時の枝豆事業は赤字で、これ以上増やしても仕方がないんじゃないの?というはっきりいってお荷物的なポジションだった枝豆。しかし、なぜ売れないのか?と検証した結果わかったのは、「売ることも知らない、買ってくれる人も知らない、ただ電話を待っているだけの田舎っぺだった、ということがわかった」と山本さん。

日本農業賞大賞

柔道一直線の若い頃のツテを頼り、札幌や東京に組合長自ら営業活動を行う。餃子やカレーといった枝豆の加工品を開発し、おいしさや品質を保つために工場の整備拡張。そして、何よりも生産者と一体となった畑から加工、販売までを一気に貫く仕組みをここ、中札内の枝豆で作り上げたことで、農業経営や技術の改革と地域社会の発展に貢献する生産者を表彰する「日本農業賞大賞」を、2016年(平成28年)にみごと受賞。6次産業のお手本と言われ全国から視察が来るようにまでなりました。
そして、枝豆による元気な町づくりにも貢献しています。

ありがとう

小さな枝豆に情熱を燃やし続ける中札内農業の枝豆には、おいしさとみんなの幸せが詰まっているなぁ、そして、枝豆とともに今日もビールを一杯、すぐ飲みたいぞ、と思えた見学でした。

中札内村農協の皆さん、今日は素敵なお話と見学を有難うございました!

【詳細情報】

日本生活協同組合連合会

生協の組合員さんと中札内村農協さんとの交流会の様子はこちら(コープ商品サイト)

中札内村農協

電話番号: 0155-67-2211
住所:北海道河西郡中札内村東1条南2丁目14

(text:西村、photo:市岡)

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